いじめ問題を考える

尾木ママが高校生と語った なぜ、いじめはなくならないの?

vol.3 なぜ、いじめはなくならないのか(1) ~おそろいものを買う女子心理といじめ

女子高校生A 

なぜいじめはなくならないのか? いじめを受けている子が学校に行きます。でも今は先生がいじめに気づいてくれない。あるいは気づいているけど知らないふりをする先生もいる。友だちも表面的な付き合いの友だちが増えている。私は人と人とのつながりが薄れてきていると感じます。


女子高校生B 

小中学の女子って、グループで誘い合っておそろいものを買いたいじゃないですか。でも例えば、家の経済的な事情でおそろいものを買いたくても買えない。一回くらいならいいんだけど、グループの誘いを断ることが積み重なると、「なんであの子は私たちの誘いを断るんだろう」と思い、その子の家庭の事情も知らずに「そんなに断るんだったら次からシカトしてやろう」て思うようになるんです。


女子高校生C 

私、中1のころある女の子にいじめられ、母に一度相談したことがあるんです。ところが母は、私をいじめた子の母親と知り合いで、向こうの家庭のことをよく知っていて、母は「あの子は母子家庭でつらいこともあるんだよ」と私に言いました。それで私をいじめた子に対する見方が変わりました。いじめを受け止めるというかな、そんな感じになりました。

 

尾木ママ 

前にも言ったわね、発達段階において、「ピアプレッシャー(仲間圧力)」というのは、思春期の独特の心情なわけです。思春期って、みんなと同じでなきゃいけないとか、ぶら下げている飾り物も同じものをつけて安心したりする。これは、先生や親御さんに異常な不信感を持ってしまい、それへの反発心から起こります。でも反発しようにも子どもは社会的にも経済的にも自立していないから、反発できないわけですよ。それで仲間同士で同調しようという圧力が働くんです。

 

高校生同士でもコンビニの前でよくたむろしちゃうでしょ、ああいうふうにしながら、お互いに癒しあって、パワーをもらって、大人や先生の言いなりでない自分たちを確かめ合っているのね。

 

だからいじめは人間として許されない行為ではあるけれども、そういう気持ちになるピアプレッシャーというのは思春期の心性だと、認めてあげればいいんです。そういう気持ちになるのは思春期の発達の段階から言えば特徴的なこととわかるけど、ここを突破しろよと。そういう見通しを持てるように大人が後押ししてあげることが大事なんです。


尾木直樹さんが中高生に贈るBooks

『古代への情熱―シュリーマン自伝―』

シュリーマン 訳/関楠生(新潮文庫

言葉を探求する情熱と語学の学び方がヒントになります

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『人生論ノート』

三木清

(新潮文庫

人生を悩み考える羅針盤

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『論語』

孔子(岩波文庫)

声に出して読むと、人生が見えてきます

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尾木直樹さんの本

『尾木ママの「脱いじめ」論』

尾木直樹(PHP文庫)

尾木ママによれば、いじめ問題の解決のポイントは3つ。
(1)加害者にやめさせること。加害者のゆがみをいやすこと。
(2)生徒が主役で克服すること。君たちが主役。
(3)LINEのルールを決めよう。

「現代では誰でもいじめの加害者にも被害者にもなりえますし、簡単に入れ替わります。中高生のキミたちには、いじめについて、特に現代のいじめの特徴と、 なぜ思春期ほどいじめはエスカレートしやすくなるのかを、発達段階の特性から知ってほしいと思います。それが、『脱いじめ』を考える第一歩になることでしょう」

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