いじめ問題を考える

尾木ママが高校生と語った なぜ、いじめはなくならないの?

vol.5 いじめをなくす糸口(1) ~学校というせまい世界を脱出しよう

女子高校生B
いじめをなくす対策として、私は学校以外で、いろんな人と共通の目標を持って行動することって大事なんじゃないかなあと思います。例えば今日のイベント(サマーセミナー)でも準備のためにいろんな人とかかわってきました。確かに負担は大きいんだけど、なんか、自分のなりたい自分はこういう自分なんだと気づく機会になると思う。自分の世界が広がって、学校というせまい世界で他人をいじめて過ごす、そんなことをやっている場合じゃないと思えるようになると、いじめはなくなると思うんです。

 

尾木ママ
今日、高校生の皆さんが言っていただいたことをまとめれば、そのままいじめ解決の糸口に繋がるんじゃないかと、非常に共感して聞いていました。中でも大事なことは、最初に言いましたように、いじめというのは約80%、クラスの中で起きているということです。つまり密室のような非常にせまい世界でいじめは起きている。それに対して、彼女が一生懸命話してくれたように、サマーセミナーなどに参加し、ぜんぜん違う学校の子と一緒になることで、世界が広がるわけ。そうすると自分自身も自分の居場所も見えてくるんです。それが一番大事と思います。

 

年配の方はよく、いじめは昔もあった。でもおれたちはこんなにたくましく生きてきたよとおっしゃいます。それは事実、そのとおりなんです。なぜかというと、昔は学校でいじめられても放課後、学校以外の別の居場所がありました。例えば、神社の境内に行けば野球ができました。ぼくの友だちになまず取り名人がいました。めっちゃくちゃ勉強はできないんだけどね。田んぼの泥みたいなところに手をこう突っ込むわけ。どういうわけか、指をなまずのあごに引っ掛けるのがうまくてね。ぼくなんかぬるっとなまずを逃がしてしまうのに。とてもその子にかなわないと思いました。

 

サマーセミナーでも、そういうすごい力を持った、別の学校の子が集まりますね。そこの人間関係の中で、自分の力とか広がりを認めてくれる居場所がいっぱい見つかります。

 

やっぱり社会参加しながら成長し、それが学校生活そのものも豊かにしていく。そういう広がりを持つことがすごく大事と思います。


尾木直樹さんが中高生に贈るBooks

『古代への情熱―シュリーマン自伝―』

シュリーマン 訳/関楠生(新潮文庫

言葉を探求する情熱と語学の学び方がヒントになります

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『人生論ノート』

三木清

(新潮文庫

人生を悩み考える羅針盤

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『論語』

孔子(岩波文庫)

声に出して読むと、人生が見えてきます

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尾木直樹さんの本

『尾木ママの「脱いじめ」論』

尾木直樹(PHP文庫)

尾木ママによれば、いじめ問題の解決のポイントは3つ。
(1)加害者にやめさせること。加害者のゆがみをいやすこと。
(2)生徒が主役で克服すること。君たちが主役。
(3)LINEのルールを決めよう。

「現代では誰でもいじめの加害者にも被害者にもなりえますし、簡単に入れ替わります。中高生のキミたちには、いじめについて、特に現代のいじめの特徴と、 なぜ思春期ほどいじめはエスカレートしやすくなるのかを、発達段階の特性から知ってほしいと思います。それが、『脱いじめ』を考える第一歩になることでしょう」

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