ニューリーダーからの1冊

発酵工学が専門の北垣浩志先生(佐賀大学)がおススメ
  

『もやしもん』石川雅之(講談社)

菌が見える特殊能力を持つ、もやし(種麹)屋の次男坊、沢木惣右衛門直保。彼は東京の某農大に入学する。農大を舞台に、沢木と研究室その他の仲間達、そして菌が活躍したりしなかったりのキャンパスライフ。大学生活のモラトリアム感と、菌が満載の「もやしもん」。<講談社HPより>

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微生物の力を借りて、食品を美味しくしたり、高機能にしたり

北垣浩志先生 佐賀大学

<専門分野:発酵工学、農芸化学>

大学院の修士課程を出て、国税庁に就職し日本酒の醸造指導を行う鑑定官を務めたというユニークなキャリアの北垣先生は、「ミトコンドリア醸造学」という新しい学問分野を立ち上げ。微生物の力を使って食品や酒の香味や栄養価、機能性を向上させる、社会に役立つことに直結した学問に無上の喜びを見出す。

 

 先生

北垣先生
北垣先生

北垣浩志(きたがきひろし) 

専門分野:発酵工学、農芸化学

佐賀大学 農学部 生物環境科学科 准教授

1971年東京都生まれ 

桐蔭学園高等学校理数科出身


 研究

発酵工学は、微生物の力を使って食品の香味や栄養価、機能性を向上させるための学問です。食品をよりおいしくすると同時に、病気の予防にも役立つものを作る課題があります。

 

私は、古典的な発酵学・醸造学と、医学や基礎科学で進展していたミトコンドリア学を融合した研究をしています。具体的には、食品の発酵・醸造を行う微生物の中のミトコンドリアに着目して技術開発を行っています。その一つとして、悪い匂いが発生しにくい酵母を開発しました。また、今まで有効活用されていなかった焼酎エキスから、化粧品や機能性食品の素材となる発酵セラミドという物質も発見しました。

 


この道に入ったきっかけ

大学院の修士課程を出て、国税庁に就職。そこでは清酒業界で清酒の醸造指導を行う鑑定官を務めました。杜氏さんと一緒に蔵の屋根裏部屋で寝泊まりして清酒を作ったものです。その後アメリカに留学してミトコンドリアの研究を行い、ミトコンドリア研究の考えや技術を醸造学に導入して新しい視点を拓きました。

 

若いころの清酒修行中
若いころの清酒修行中

中高時代

テニスに熱中しており、神奈川県の代表選手として関東大会に出場。テニスで生きていくか、受験して大学に行くか迷っている時、坂本龍馬の本を読んで感動し、技術開発を通じて日本の産業に貢献したいと思い、理系を選択しました。

 


趣味・休日は?

休日はテニスの試合を回っています。生きた証にと、全米プロテニス協会のプロ試験を受け、合格しました。

 

 

世界プロテニスツアーに出場
世界プロテニスツアーに出場

おすすめの本、TV

竜馬が行く 

司馬遼太郎(文春文庫)

何がかっこいいかの概念が変わると思います。

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生きがいについて

神谷美恵子(みすず書房)

深い本です。

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先生の専門分野に触れる本

有機化学

マクマリー(東京化学同人)

生物の本質がわかります。

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もやしもん

石川雅之(講談社) 

菌やウイルスをめぐる農業大を舞台にした漫画[出版社のサイトへ]