政治過程論、日本政治論

18歳、選挙に行こう! みんなで社会を作ろう!

18・19歳の新有権者はどんな政治意識を持っているか   ~教育的な効果が高い模擬投票

小林良彰先生 慶應義塾大学 法学部

第2回 日本人の投票率の低さを国際比較・分析してみる~実は日本人の政治的知識度はかなり高い

日本人の投票率の全体的な低さは、まだ民主主義が根づいていない証拠なのでしょうか? いいえそんなことはありません。実は日本人の政治的知識度は高いのです。それを示すものに、世界各国で比較した私たちの調査があります。この調査では、いくつかの同じ質問を12カ国の人にしてみました。例えば、フランス首相やアメリカの副大統領、日本の経産大臣はだれ?と質問します。

 

出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社
出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社

つまりその人の政治的知識度がけっこう要求されるような質問をしたところ、日本人の正解率はイギリス、イタリア、韓国、メキシコより上で、アメリカ、ドイツに次いで高かったのです。(凡例:4名以上=4問以上正解だった人、全く挙げず=答えられらなかった人)

反面、民主主義に対する満足度はかなり低いです。1位のオランダは、「満足している」と答えた人が81%でした。EU諸国全体では57%に対し、日本は50%の満足度。韓国・伊より少し高いか同程度の満足度だったのです。

出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社
出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社

日本人の政治行動は消極的

 

そして日本人の政治行動は消極的です。アメリカでよく見かけるようなホームパーティで政治を話題するようなことはありません。私たちの統計データを見てみますと、「頻繁に政治の会話を日常するか」という質問に対して、「頻繁にする」と答えた1位ギリシャは25%です。ギリシャは、「時々する」も含めるとなんと75%に達します。

出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社
出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社

EU諸国全体では14%、韓国12%に対し、頻繁に会話すると答えた日本人はたった5%です。逆にまったく会話しない人が56%もいました。いったいなにが原因なのでしょう。

 

出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社
出典:小林良彰『制度改革以降の日本型民主主義』木鐸社

その理由として、日本人の政治への有効性感覚が極端に低いことが挙げられます。有効性感覚の国際比較をしたところ、(有効性感覚があると回答した人が)米国が75%、韓国でも30%に対し、日本はわずか18%です。平たく言い換えると、選挙に行ってもムダという感覚が非常に根強いことがデータからもわかるのです。

 

つづく

第3回 LINE・Twitterから政治情報を得る 

~18・19歳の政治意識、最新アンケート調査報告から

<今までの記事を読む>

第1回 若年層の投票率はなぜ低いのかを考えてみよう

~「どうせ選挙に行ってもムダ」と思うとどうなるか