環境・バイオの最前線

植物病理学

学問ことば解説

病原学:病気克服のため敵を知る、その心は生命科学の世界的大発見!

 

植物病理学ではまず病原体の正体を突き止めることが最重要。病原学では、その形や大きさなどを明らかにし分類学的位置を決め、どんな病気を引き起こすか病原性について調査する。最近は、病原体の分類でも遺伝子の塩基配列情報が重視される。生命の起源に近いウイルスなど微生物を通じ、進化など生命科学の根源的な問題にも触れる。

 

感染生理学:植物の免疫学、つまり微生物との戦闘

 

病気という現象の過程を、病原体の側からも植物の側からも、生化学的・分子生物学的に解析するのが感染生理学。病原体が作る毒素や植物が作る防衛物質などを単離、精製、構造決定することなどが中心だ。最近では病原性や抵抗性をつかさどる遺伝子の研究が活発で、それらを用いて、感染過程の反応を止めたり、植物に抵抗性を誘導したりする画期的な農薬も生まれている。日本の感染生理学はアメリカとともに世界のトップを走っている。

 

発生生態:植物病理学の基本は、脱農薬のためにも今なお不可欠

 

病気の発生や流行を防ぐには、実際の畑などでの病気の全体像を調べることが重要。病原体の伝染源や伝染方法、季節的変化などを病気の発生生態という。それを明らかにすることで、的確な防除も行える。今も欠かせない、植物病理学の王道ともいえる分野。

 

防除:植物のお医者さん=植物病理学の現場

 

病気の予防と治療のこと。農業の現場に近い農林水産省や都道府県の研究機関で研究されるのがふつうだ。最近は予防重視。島根大の本田雄一先生(現名誉教授)は、カビによる病気の発生を防ぐために、農業用のハウスに特定の波長の紫外線を通さないフィルムを使うというユニークな技術を開発した。脱農薬のために様々な知識とアイデアが求められる分野だ。

 

まだまだ広がる学問の世界

植物病理学の研究者

植物病理学を学べる大学