タイムトラベルは可能か

~その実現に向けて研究する大学も紹介

今井元先生 元日本女子大学 理学部

第1回 意図的な『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、偶然の『アシガール』

行きたい過去や未来の世界へタイムトラベルするための、タイムマシンが創造されたのはいつ頃でしょうか。小説では、19世紀の後半、欧米で出版された本に登場したのが最初のようです。主人公はタイムマシンに乗って80万年後の世界へ行き、その時人類がどうなっているかを見て、落胆して帰ってくるという物語です。同じ時期に他にもタイムマシンの小説が出版されたようですから、タイムマシンを扱うことは当時流行った小説と思われます。

 

タイムマシン映画の不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、デロリアンという自動車型のタイムマシンを発明し、過去や未来の設定した時代へ移動していました。漫画ではドラエモンで登場しております。ここでは、机の引き出しがタイムマシンになって時間旅行をするというものです。また、『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』という日本映画では、ドラム式の洗濯機がタイムマシンとなって、バブル景気の1990年に行きます。物語ではバブル景気を正そうと努力する様子が描かれています。

 


最近の時間旅行ものは、タイムスリップが多いように思います。これは行き先が偶然に決まるものでどこへ行くというプログラムができません。時空間にトンネルのような穴ができ、そこに入って移動するというものが多くあります。その一つに、現代の医者が江戸時代へスリップすることを扱った漫画・テレビドラマの『仁』があります。移動先で、近代医療医術を用いて、当時の不治の病といわれた病気を治療するというものです。当時の人には魔法のように思えたかもしれませんね。

 

戦争ものでは、自衛隊の戦車部隊が日本の戦国時代へスリップする映画『戦国自衛隊』、また、近代装備をしたアメリカ海軍の空母が第2次世界戦争の真珠湾攻撃前夜のハワイにスリップする、アメリカ映画もありました。女子高校生が日本の戦国時代へスリップする『アシガール』も同じです。現代の女子高校生が戦国時代にスリップして、戦国武将と恋に落ちる話です。『テルマエ・ロマエ』では、主人公がお風呂や水洗トイレなどに入って、ローマ時代と現代とを行き来していました。

 


タイムスリップの場合、元に戻れるという保証はありません。しかし、これらの紹介した作品の場合、タイムスリップが生じる異常現象が移動先でも突然現れ、元の世界に戻れるというものです。映画としては元の世界に戻れないと面白くないのかもしれません。逆に今の世界へスリップしてきたのは漫画『最後のレストラン』です。テレビドラマ化もされましたね。この場合、古今東西の歴史上の人物が現代へスリップしてくることでの面白さを描いています。そして、時空間が歪んでいる間に元の世界へ戻っていくのです。不思議なのはスリップしてきた人が皆日本語を喋れることですね。

 

連載つづく・・・

 

今井先生 プロフィール

今井元先生 元日本女子大学理学部/元富士通

 

香川県立丸亀高等学校卒、東京大学工学部電気工学科卒、東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修了。株式会社富士通研究所を経て日本女子大学理学部教授、現在名誉教授。

 

専門は、半導体工学、特にⅢ-Ⅴ族化合物半導体を用いた半導体レーザダイオード(LD)。LDは通電することでレーザ発信して単色光を発する小さい素子です。光ファイバー通信用光源には赤外光、DVDには青色光、ポインターには赤色光が使われます。科学の研究者にならなかったら、音楽家とか医者とか夢はたくさんありました。子供のころは花火が大好きで花火師になりたいと思っていました。