ニューリーダーからの1冊

材料工学が専門の堤井君元先生(九州大)のおすすめ

 

『現代のプラズマ工学』

堤井信力(講談社ブルーバックス)

身近なプラズマの応用が平易に書かれています。

[出版社のサイトへ]

 

身近な家電製品や携帯機器の省エネルギー化と高性能化に貢献する材料を開発

堤井君元先生 九州大学

<専門分野:材料工学>

家電製品、乗り物、携帯電話などに用いられる電子部品は主にシリコンでできているが、シリコン製の電子部品は電力損失が大きいということが、研究の出発点だ。堤井先生は、シリコンよりすぐれた特性を持つ新しい材料として、ダイヤモンドや窒化ホウ素に注目し、電子部品への応用をめざしているのだ。

 

 先生

堤井君元(つついくんげん) 

専門分野:材料工学

九州大学 工学部 電気情報工学科/大学院総合理工学府 量子プロセス理工学専攻 准教授 

1969年東京都生まれ 神奈川県立希望が丘高等学校出身

 


 研究

材料工学とは、すぐれた機能を持つ物質や材料を作製し、その機能を評価する研究分野です。

 

現在、家電製品や携帯電話に用いられる電子部品は主にシリコン半導体を利用して作られていますが、シリコン製の部品は電力損失が大きい。ゆえにシリコンよりすぐれた物性を持つ、新しい半導体材料を用いた部品を実現することが課題になります。

 

私は、半導体の中でおそらく最もすぐれた潜在的物性を持つダイヤモンドや窒化ホウ素を用いた電子部品の実用化を狙っています。ダイヤモンドや窒化ホウ素の作製方法を工夫し、その品質を現行のシリコンまたはシリコンカーバイド並みに高品質化できれば、電子部品へ応用でき、最終的には実用化が可能であると考えています。

 

研究というものは、教科書に載っていない未知の現象に取り組み、解明できたときの達成感が素晴らしいと思います。自分の研究人生の間に、実用化できる技術を開発することが理想です。

 

研究室の学生さんたちと
研究室の学生さんたちと

この道に入ったきっかけ

放電プラズマの研究者が親族にいたので、放電プラズマを利用した材料合成に興味を持ったことがきっかけです。

 


中高時代

将来は外国に出て活躍したいと考えていました。時代劇が好きで、「必殺シリーズ」の、途中経過はどうあれ、結果をしっかり出すところにあこがれていました。

 


おすすめの本

『シャーロック・ホームズ シリーズ 』

コナン・ドイル 延原謙:訳(新潮文庫刊)

論理的思考を鍛えるとともに、古き良き大英帝国を味わえます。

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※掲載した本は『シャーロック・ホームズの冒険』

『世界名画の旅』朝日新聞社 

視野を広げるためにおすすめです。宗教や歴史に対する理解が深まります。

 


先生の専門分野に触れる本

『現代のプラズマ工学』

堤井信力(講談社ブルーバックス)

身近なプラズマの応用が平易に書かれています。

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『カラー図解 プラズマエネルギーのすべて』

プラズマ・核融合学会(日本実業出版社)

カラー図が多く、読みやすい。トピックスが幅広い。