[人間関係論としての社会学]

研究インタビュー

土井隆義先生 筑波大学人文社会系/社会学専攻

土井隆義先生
土井隆義先生

■先生の研究分野を教えてください。

社会学の中の「人間関係論」が専門です。個人の心理からではなく、集団の特質から人間関係について考察を行なうのが、心理学とは異なった社会学からの人間関係論です。

今日の若者は幸福感が高いといわれており、それは各種調査からも明らかになっています。しかし、若者をめぐる経済的環境には非常に厳しいものがあります。劣悪な環境に置かれているにもかかわらず、なぜ若者の幸福度が高いのか。それは好ましい現象といえるのか。現在は、この問題について研究を行なっています。

■先生が指導されている学生の研究テーマ・卒論テーマを教えてください。

・少年犯罪の社会的構築に関わる研究
・司法福祉の現状とその課題について
・少年司法の現場におけるリアリティ構成
・犯罪報道のメカニズムとその社会的背景
・犯罪被害者の社会的構築に関する研究
など

■先生のゼミや研究室の卒業生は、どんな就職先で、どんな仕事をされていますか。

社会学の知識を生かしている卒業生としては、家庭裁判所の調査官となり、少年司法の現場に携わっている者が数名います。非行少年の立ち直りに関わる社会的意義の大きい仕事であり、充実感を持って仕事に取り組んでいるようです。

■先生は研究テーマをどのように見つけたのでしょうか。


社会学の理論を学ぶなかで、自分の人生とはもっとも遠いところにあった犯罪問題について、好奇心から考えるようになりました。社会学では、常識をつくがえすような発想をすることが多いので、犯罪問題についても、従来の自分の見方がまったくひっくり返されることに対する知的興奮を覚える経験が原動力になっています。

■高校時代は、何に熱中していましか。

仲間のあいだで、とくに熱中していたのは、自衛隊の合憲・違憲論争でした。友人たちと常に議論を戦わせていました。個人的には、カミュの不条理小説に傾倒し、その評論を書いてみたりしていました。

■この分野に関心を持った高校生にメッセージをお願いします。

ともかく沢山の本を読むことでください。ジャンルにはこだわらなくてもよいので、ぜひ乱読をしてもらいたい。そこからおのずと問いは生まれてくるはずなのです。

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