全国高等学校ビブリオバトル2015

大分代表・阿部希望さん紹介の『残像に口紅を』(筒井康隆)がグランドチャンプ本に決定!

バトラーが自分で選んだおすすめ本のよさを5分ずつ語り、観戦者が一番読みたくなった本に投票してチャンプ本を決めるビブリオバトル。

 

本と学問でひらく未来『みらいぶプラス』サイトも応援してきた、このビブリオバトルの高校生日本一を決める「全国高等学校ビブリオバトル2015」の決勝大会が、1月10日、東京都千代田区のよみうり大手町ホールで開かれました。

 

ゲストに、斎藤孝氏(明治大教授)、辻村深月氏(作家)、笑い飯・哲夫氏(芸人)

 

全国の地区予選を勝ち抜いた36人が出場し、6人ずつの6グループに分かれて予選でバトル。1グループ1人ずつ代表が選ばれ、6人で再度プレゼンを行ない、グランドチャンプ本が決まりました。

 

「映画やドラマでは再現できない、まさに本好きのための本」

グランドチャンプ:阿部希望さん(大分県立芸術緑丘高校2年)

グランドチャンプ本に選ばれたのは、阿部希望さん(大分県立芸術緑丘高校2年)が紹介した『残像に口紅を』(筒井康隆、中央公論新社)。この本は、例えば「あ」という文字を使わないという制限を設け、その制限がどんどん広がっていくという展開。最後は使える文字が2文字だけになり….ということで、阿部さんは「映画やドラマでは再現できない、まさに本好きのための本」とプレゼンしました。「普段はホラーやサスペンスをよく読む。ビブリオバトルの目的が活字文化推進ということなので、今回は活字ならではの本を選んだ。大好きな本の宣伝ができて嬉しかった」と語りました。

阿部さんによる『残像に口紅を』の紹介はこちらから

 

 

「今後ビブリオに出る後輩を育てたい」

準グランドチャンプ:福永有希也くん(東京都立練馬工業高校3年)

準グランドチャンプ本は福永有希也くん(東京都立練馬工業高校3年)が紹介した『君の膵臓をたべたい』(住野よる、双葉社)。福永くんは「余命宣告を受けた女の子と、これまで友達などいなかった男の子のストーリー。読み終わったあとに表紙を見ると、そこに描かれていることの意味を知りたくなり、もう一度読み返してしまう」と、やはり“本”ならではの魅力を伝えました。福永くんは「自分が通う工業高校の生徒にも活字の魅力を訴え、今後ビブリオに出る後輩を育てたい」そうです。

福永くんによる『君の膵臓をたべたい』の紹介はこちらから

 

 

地区予選優勝がきっかけで、実際に著者に会えた

ゲスト特別賞:兼松綾那さん(徳島県立脇町高校2年)

ゲスト特別賞は『ぼくらはみんな生きている』(坪倉優介、幻冬舎)を紹介した兼松綾那さん(徳島県立脇町高校2年)。これは、大学生のときに交通事故で記憶喪失になった著者によるノンフィクション。「生きるとは何かについて考えさせられた」と深い感動をじっくりと語った兼松さんは、ビブリオの地区予選で優勝したことがきっかけで、実際に著者に会うこともかない、有意義な時間を過ごしたということでした。

兼松さんによる『ぼくらはみんな生きている』の紹介はこちらから

 

 

「小説家になるのが夢」と宣言

優秀賞:西脇悠太くん(東京都立日比谷高校2年)

そして、優秀賞は3人。

大学生が主人公、不思議な四つの短編が繰り広げられる『四畳半神話大系』(森見登美彦、角川書店)を紹介した西脇悠太くん(東京都立日比谷高校2年)。西脇くんはプレゼンの中で「小説家になるのが夢」と宣言して、会場を沸かせました。

西脇くんによる『四畳半神話大系』の紹介はこちらから

 

「紅茶専門店の店主が話す言葉に感銘」

優秀賞:松田阿南くん(大阪・明星高校2年)

いろいろな悩みを持った人が訪れる実際の紅茶専門店のストーリー『奇跡の紅茶専門店』(荒川祐二、マガジンハウス)を紹介した松田阿南くん(大阪・明星高校2年)。「紅茶専門店の店主が話す言葉に感銘を受け、自分の事を振り返ったり時間を大切にしたりするようになれた」のだそうです。

 ⇒松田くんによる『奇跡の紅茶専門店』の紹介はこちらから

 

 

話の続きが気になるプレゼン

優秀賞:岡田純子さん(埼玉県立松山女子高校3年)

オレオレ詐欺から発展していく奇想天外な物語『俺俺』(星野智幸、新潮社)を紹介した岡田純子さん(埼玉県立松山女子高校3年)。詐欺を働いた「俺」は本当に息子だと信じこまれてしまい、さて最後はどうなるのか…話の続きが気になる、まさに紹介された本が読みたくなるプレゼンでした。

岡田さんによる『俺俺』の紹介はこちらから

 

昨年チャンプ本『冷たい校舎の時は止まる』の著者:辻村深月氏らがゲスト

大会では、斎藤孝氏(明治大教授)、辻村深月氏(作家)、笑い飯・哲夫氏(芸人)をゲストに招いたトークショーも開催されました。

 

昨年度の同大会で、辻村深月氏の著書『冷たい校舎の時は止まる』がグランドチャンプ本に選ばれています。辻村氏は、この本は高校3年生のときに受験勉強から逃避して書いたものだと告白すると、会場からはざわめきが。辻村氏は、「また高校生がビブリオで紹介してくれるような作品を書きたい」と話しました。

 

斎藤孝氏は、「一人ひっそりと、という読書の楽しみを、外にも向けてくれたビブリオは素晴らしい取り組み」と、高校生のビブリオへのチャレンジを応援。

 

そして、笑い飯・哲夫氏は読書家であると同時に、『ブッダも笑う仏教のはなし』など自身の著書もこれまでに3冊出版。いつも本を持ち歩いて新幹線の中で読むということで、今日決勝でプレゼンを聞いた本は「全部読みたくなった。必ず全部読みます」と話しました。

 

バトル開催後は、同じビル内のレストランに会場を移して交流会が開催。本好きの高校生たちが、学校や住んでいる地域の枠を超えて、時間を惜しんで交流を楽しみました。

 ※ 全国高校ビブリオバトル2015

 

主催 活字文化推進会議

主管 読売新聞社

後援 文部科学省、ビブリオバトル普及委員会、全国学校図書館協議会、全国高等学校文化連盟

協力 トーハン、河合塾・高校生向けサイト「みらいぶプラス」