地球温暖化研究の研究者

気候モデル研究・気候メカニズム研究

気象予報から温暖化予報へ

木本昌秀

東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻/大気海洋研究所 気候システム研究系 気候変動現象研究部門

【気候力学】地球温暖化は実際に起きているが、いたずらに恐れるべきではないということを証明するためには、温暖化問題予測のツールとして信頼できる気候モデルが必要だ。そのため木本先生は、限界のあった従来型の数値モデルではなく新しい大気―海洋統合モデルを開発した住明正先生(現サステイナビリティ学連携研究機構客員教授―達人参照)を後継し、気候変動のメカニズムを追求している。また水が地球の大気水圏を様々な形で循環する過程を、流体力学・熱力学などに基づいて数値的にシミュレートする画期的な大気大循環モデルを開発。統計では明らかになりにくいメカニズムを数値実験から分析し、長期予測モデルの精度向上に役立てようとしている。

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エアロゾルで温暖化の影響をモデリング

中島映至

東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻/大気海洋研究所 気候システム研究系 気候モデリング研究部門

【水気圏科学】大気中の埃(エアロゾル)は太陽の光を反射したり、雲ができやすくしたりするため、地球を寒冷化させる。このエアロゾルの種類による温暖化・寒冷化への影響をモデリングと観測の両面から研究。高校時代はF.L.ライトの写真集が好きで、研究者にならなかったら建築家になっていたとも。

中島研究室 HP

 

世界一重い南極低層水を発見

大島慶一郎

北海道大学 理学部 地球惑星科学科/環境科学院 地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース/低温科学研究所 水・物質循環部門

【極域海洋学】世界一重いという未知の南極底層水を発見した。この水は南極底層水として沈み込み、全世界の海洋深層に広がり、海洋循環が駆動される。それが地球の気候変動を大きく左右するという。釧路で生まれ、物書きに憧れながら、数学・物理を使った学問に進んだ。北海道日本ハムファイターズのファンという道産子。

海洋・海氷動態分野 HP

 

オホーツク流氷の動きから気象変動観測

藤吉康志

北海道大学 理学部 地球惑星科学科/環境科学院 地球圏科学専攻 雪氷・寒冷圏科学コース/低温科学研究所 水・物質循環部門

【雲科学】オホーツク沿岸に設置したドップラーレーダーを用い、従来より格段に高い精度で流氷と気象観測を検出する手法、高精度に流氷の動きを捉える手法を開発した。またゲリラ豪雨の発生予測研究を、東京都で科学技術戦略推進費により共同観測を実施中という。

雲科学分野 HP

 

大気中の温室効果気体の研究

青木周司

東北大学 理学部 宇宙地球物理学科/理学研究科 地球物理学専攻/理学研究科 附属大気海洋変動観測研究センター 物質循環学分野

【高層気象学】中澤高清先生を後継し、CO2濃度を利用した全球CO2収支の推定をする(中澤先生は現在、同大学物質循環分野の客員教授)。大気中の温室効果気体の研究、極域氷床深層コア解析による地球環境変動の復元研究をし、2000年以降は、大気中の酸素濃度とCO2の炭素同位体を用いた地球規模の炭素循環の解明を続けている。

大気海洋変動観測研究センター 物質循環学分野 HP

 

雲・エアロゾルの変動とその気候への影響の研究 

早坂忠裕 

東北大学 理学部 宇宙地球物理学科/理学研究科 地球物理学専攻/理学研究科 附属大気海洋変動観測研究センター 気候物理学分野

【高層気象学】地球環境問題、特に温暖化問題における雲・エアロゾルの役割について、過去数10年の東アジアを対象に、人間活動との関係を含めて研究を進めている。雲および空中に浮遊する微粒子(エアロゾル)が地球の気候変動に及ぼす影響について研究を行う。その研究の手法は、観測とデータ解析、特に地上からのリモートセンシング、航空機観測や衛星データの解析に基づく。

早坂忠裕 紹介ページ

 

世界に先駆け南極のアイスコアのエアロゾルを観察する手法を開発

飯塚芳徳  

北海道大学 環境科学院 地球圏科学専攻 雪氷・寒冷圏科学コース/低温科学研究所 雪氷新領域部門 

【氷床コア解析】元低温科学研究所長の本堂武夫先生らとともに、南極で採取のアイスコアに保存された水溶性エアロゾルを観察する手法を世界に先駆け開発。将来の地球温暖化予測において、最も不確定要因になっているエアロゾルの影響評価を、高精度でモデルに取り込むことができるようになることが期待される。アイスコアが保管されるマイナス50度の低温室に毎日通いつめ、エアロゾル分析から、かつての地球気候の復元を試みる毎日。東京生まれの野球少年だったという。

氷河氷床研究グループ 飯塚研究室 HP

 

気候予測研究を前進させた大功労者

住明正

東京大学 国際高等研究所 サステイナビリティ学連携研究機構 

【気候力学】温暖化問題予測のツールとして、限界のあった従来型の数値モデルではなく新しいモデルを開発し、気候変動のメカニズムを追求。その一方で温暖化にともなう政治経済的な対応策や、情報提供の方法などについても考察を進めてきた。東京大退官後、地球・社会・人間システムの統合による持続型社会の構築をめざしたサステイナビリティ学連携研究機構の客員教授に。気象庁予報部の勤務経験もあり、日本の気候予測研究を今日のレベルへと大きく前進させた功労者である。

サステイナビリティ学連携研究機構 住明正 紹介ページ

 

日本独自のCO2濃度の計測法を開発

中澤高清

東北大学 理学研究科 附属大気海洋変動観測研究センター 物質循環学分野

【高層気象学】海外の計測結果に頼っていたCO2濃度の計測法を独自に開発。精度の高いデータを世界に発信し、それまで遅れていた計測の分野で日本が世界と肩を並べることになった。1979年以来、月に1一度の割合で、航空機による日本上空の温室効果ガスの観測を続けているほか、日本とオーストラリアや北米間を往復する定期コンテナ船に依頼して大気採集を実施し大気成分の分析をするなど多くの手法で正確なデータを収集する。世界的に見ても早い段階から温室効果ガスの研究に取り組み始めた。当初は、研究手法はすべて自分で考えねばならなかったという苦労も。2012年退官後も大気海洋変動観測研究センター客員教授。2013年、南極昭和基地において大気球を用いた成層圏大気採取実験に成功するなど活躍は続いている。

大気海洋変動観測研究センター 物質循環学分野 HP

 

影響リスク研究

島が沈む!温暖化の危機を訴える

三村信男

茨城大学学長

(工学部 都市システム工学科/理工学研究科 都市システム工学専攻/広域水圏環境科学教育研究センター 沿岸域環境形成部門)

【地球環境工学】温暖化による海面上昇で水没するといわれる南太平洋島国・ツバルへの調査は、世の中の関心を温暖化に引きつけるきっかけとなった。現在起きている急激な海水の浸入は必ずしも温暖化によるものではないが、温暖化が進めば事態は一層深刻になる。しかも、水没以前に問題なのは、地下水を井戸で汲み上げている島では、海面上昇によって地中の圧力が高くなると水がたまらなくなり、生活用水が得られないため人が住めなくなることだ。このように水没のみならず海岸侵食が居住地域や社会資本に与える影響を総合的に評価する手法を開発し、日本と中国、南太平洋の島国が温暖化で受ける被害を定量的に示し、被害を防ぐための対策費も見積もれるモデルを作った。アカデミックな研究だけでなく、具体的な対策を講じるために政府研究会の座長を務めるなど、今、最も精力的な温暖化研究者の1人。影響リスク研究では今も群を抜いている。

都市システム工学科 教員紹介ページ

 

今や影響リスク研究の花形研究者

沖大幹 

東京大学 工学部 社会基盤学科/工学系研究科 社会基盤学専攻 国際プロジェクトグループ/生産技術研究所 附属都市基盤安全工学国際研究センター 

【地球水循環システム】温暖化の影響で自然現象としての洪水や干ばつの回数がどう変わるかといった研究は増えたが、それが社会にどれだけの人的・経済的影響を与えるかを明らかにする研究は世界的に不足している。水不足や気温の上昇が農作物の収穫量をどれだけ減らすかは地域によって違う。一日に200ミリの雨が降っても、沖縄と北海道では被害の程度が違う。極端現象がどこまで極端になるかを予測することが最後まで残る難しい問題。温暖化が進行した際に被害に遭う可能性が増えるかどうか。それもどのくらい準備しているかによっても違う。専門のグローバルな水循環、水循環モデリングから、地球温暖化問題に重要な提言を続ける。いまや、影響リスク研究の花形研究者だ。

沖研究室 HP

 

低炭素社会のコンパクトシティをめざす

花木啓祐

東京大学 工学部 都市工学科/工学系研究科 都市工学専攻 都市環境工学コース/工学系研究科 附属水環境制御研究センター 

【都市環境工学】都市の消費によって生じる様々な製品やサービスの環境負荷を、ライフサイクル全体を通して総合的に評価するライフサイクルアセスメントの考え方を現実の場に取り入れることを提唱。温室効果ガスの排出をはじめとした環境負荷が小さく、同時に質の高い環境を保った都市構造や、汚染された環境の修復技術を研究するなど“都市を守る”研究を行っている。

環境システム研究室 HP

 

環境政策への市民参加手法の研究

田中充

法政大学 社会学部 社会政策科学科 

【環境影響評価・環境政策】環境政策の立案・運用過程、地方自治体の環境政策、環境アセスメント・戦略的環境アセスメント、環境マネジメント、環境基本条例・環境基本計画、環境政策への市民参加手法、低炭素地域社会構築、温暖化影響・適応策等に関する分野を研究対象として、活発。

社会学部 教員紹介ページ

 

バイオマスの利活用を行う

迫田章義

東京大学 工学部 化学システム工学科/工学系研究科 化学システム工学専攻/生産技術研究所 物質・環境系部門 

【バイオマスの利活用】化学工学的手法で、資源循環、環境浄化学に取り組んできた。再生可能資源のバイオマスの利活用技術に詳しい。吸着技術を利用した放射性物質回収プロセスの研究をする。2013年度の環境科学会学術賞を受賞。

迫田研究室 HP

 

影響リスクの総合評価を行う

肱岡靖明

国立環境研究所 社会環境システム研究センター 都市環境システム研究室

【工学 環境システム分析】温暖化影響の危険な水準に関する統合評価、気候予測・影響予測モデル研究の結果に基づき将来予測をする。また、気候と相互作用し人為活動を含む陸域諸要素に力点を置いた地球規模のモデル研究を行う。地球規模の温暖化影響の価値、適応策やジオエンジニアリングの費用対効果。以上すべての研究結果を参照しつつ、地球規模のリスク管理方策を総合的に検討する研究を行う。

環境都市システム研究室 HP

 

ゲリラ豪雨の予測研究

中北英一

京都大学 工学部 地球工学科/工学研究科 社会基盤工学専攻 防災工学講座/防災研究所 大気・水研究グループ 気象・水象災害研究部門 

【水工水理学】集中豪雨やゲリラ豪雨などに対し、最新型気象レーダーを用い予測し、気象災害を防止する。世界の雨量計による観測情報や人工衛星による地球規模の降雨観測情報を用いて、現気候条件での異常降雨の出現特性の把握や気候変動による兆候を探る等々で、温暖化防止の影響リスク研究に早くから取り組んできた。

水文気象災害研究分野 HP

 

世界初、衛星による世界中のCO2計測

横田達也

国立環境研究所 地球環境研究センター 衛星観測研究室 


【情報学、システム工学、コンピュータ科学】

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」で、世界ではじめて、全地球のCO2収支を定量的に推定し、いぶきの有用性を世界に示した。

地球環境研究センター 組織/メンバー紹介ページ

 

ヒートアイランド化の影響評価を行う

増田啓子

龍谷大学 経済学部 現代経済学科(/経済学研究科 経済学専攻)


【気候学、環境学、地理学】地球温暖化による気候変動、季節変動、ヒートアイランド化問題、影響評価を行う。日本の自然を見てわかる地球温暖化の兆候を説き、温暖化による動植物への影響を提言する。

経済学部 教員紹介ページ

 

海洋生態系から影響リスク研究をする

山中康裕

北海道大学 理学部 地球惑星科学科/環境科学院 環境起学専攻 実践環境科学コース、地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース 

【環境動態解析】大気海洋物理学・気候力学コースで生態系影響リスクを研究する。海洋生態系や物質循環に関する研究。特に、気候変動から、栄養塩循環、生物生産などを経た水産資源変動に関するもの、また、古気候や地球温暖化に関する研究を行っている。また、自然エネルギーなどの温暖化緩和対策や政策提言を含めた地球温暖化全体に関する貢献会など市民との対話も大切にして活動している。

環境科学院 環境起学専攻 実践環境科学コース

 

気候変動のリスク・コミュニケーション

馬場健司

法政大学 地域研究センター 


【リスクコミュニケーション】世界の各都市において気候変動適応策が策定されつつある。気候変動の影響リスク研究をする。集中豪雨による都市型水害に焦点。CO2削減の必要性にも、すべてのステークホルダー(SH=利害関係者)が高い関心を持っていることを示した。気候変動のリスクコミュニケーション手法を開発していく。「防災・インフラ分野における気候変動適用策をめぐるアクターのフレーミングギャップについて」で、2011年富士電機賞(優秀研究企画賞)を受賞。

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低炭素社会のデザイン』を展望する

西岡秀三

地球環境戦略研究機関


【環境システム分析】日本でいち早く温暖化の影響リスクに問題意識を持ち、気候、農業、海洋など影響が予想される分野の専門家にリスク研究の必要性を説く。研究者を組織化して研究を進める一方、研究や評価の方法を確立しようと尽力する中心的存在。法律家志望だった高校時代、世界初の人工衛星スプートニクのニュースを見て「これからは科学技術の時代だ」と理系に転向。

 

里海の第一人者

柳哲雄

九州大学名誉教授 


【海洋物理】地球環境に影響の大きい海流を研究。海流の変化やダイナミクス、海水に溶け込んだ物質の輸送のしくみなどを探求してきた。海中の植物プランクトンの移動を追跡して画像化に成功し、水産資源の動きを知る海の桜前線として注目された。「里海」という言葉を作った人で、沿岸海洋学の第一人者。

 

政策

世界的政策モデルの研究者

松岡譲 

京都大学 工学部 地球工学科/工学研究科 都市環境工学専攻 環境システム工学講座 

【環境システム工学】もともと土木系出身で水道工学を専門としていたが、工場や家庭の排水が水質汚染を引き起こす仕組みを解明するためにモデルを作ったのが、モデラーとしての第1歩。気候変動の結果の水循環の変化から経済まで、様々な分野で数理モデルを構築している。研究当初は日本に気候変動モデルの研究者がいなかったので世界中の研究者に指導を受けに飛び回ったが、現在は世界中から注目を集める存在に。

松岡研究室 HP

 

気鋭の環境経済学者

諸富徹 

京都大学 経済学部 経済経営学科/経済学研究科 経済学専攻 市場動態分析講座 

【環境経済学】財政学と環境経済学に基礎をおきながら,環境税や政策課税の問題を中心に研究してきた。より長期的には、グローバリゼーションの中で持続可能な発展を遂げていくにはどうすればよいかを考えていこうとしている。『脱炭素社会と排出量取引』、『環境税の理論と実際』など著書も多い。

諸富ゼミ HP

 

リスク・コミュニケーションNO1の論客

江守正多 

国立環境研究所 地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究 


【理学、地学】気候モデルの開発・改良や、地球温暖化予測の不確実性の定量評価を専門とする。一般向けにも解説し、地球温暖化に対する懐疑派に対抗し、「懐疑派バスターズ」を名乗り、温暖化問題のリスクコミュニケーション理論ではナンバー1論客である。

地球環境研究センター 江守正多 紹介ページ

 

原発安全・安価の神話を崩した

大島賢一 

立命館大学 国際関係学部 国際関係学科(/国際関係研究科 国際関係学専攻) 

【環境経済学】話題の書『再生可能エネルギーの政治経済学』を出し、原子力発電所のコストを、発電費用、廃棄物処理にかかるバックエンド費用、立地費用まで実績値で徹底検証し、原発は安価という神話を崩した気鋭の経済学者。

国際関係研究科 大島堅一 紹介ページ

 

環境科学の最新手法を駆使

馬奈木俊介

東北大学 環境科学研究科 環境科学専攻 国際環境・地域環境学講座 

【環境政策学】環境経済学、環境科学の最新手法を日本、米国や世界全体、および中国、インドに適用した実証研究を続ける。環境税の政策や海外直接投資の影響がいかに効率的に排出量を削減し、生産を増やせているかを評価。土木工学の出身で工学系のバックグラウンドがあり文理融合の環境の中で、次世代の人材育成を続けている。

馬奈木俊介研究室 HP

 

温暖化の影響評価モデル(AIM)の第一人者

増井利彦 

東京工業大学 工学部 社会工学科/社会理工学研究科 社会工学専攻 

【環境経済・モデル分析】地球温暖化問題の政策を評価し、環境と経済を統合した大規模な数理シミュレーションAIM(気候変動のためのアジア太平洋統合評価モデル)の専門家。環境工学の出身だが、「環境問題の解決には経済の問題を避けて通れない」と、経済学にもかかわる分野研究を続けている。今やAIMモデルの第一人者。

増井研究室 HP

 

排出権取引の専門家

前田章 

東京大学 教養学部 学際科学科/総合文化研究科 国際環境学プログラム

【経済政策】地球温暖化問題の対策の一つ、排出権取引制度の専門家。国連・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)にも関わる。

温暖化の国際政治学

高村ゆかり

名古屋大学 情報文化学部 社会システム情報学科/環境学研究科 社会環境学専攻 環境法政論講座 

【国際環境法】温暖化問題の国際政治学を続ける。主な研究テーマは、京都議定書など地球温暖化防止の国際制度、国際環境条約の遵守手続・制度、予防原則などがある。

環境法政論講座  HP

 

気候変動抑制のための国際協調のあり方を研究

亀山康子

東京大学 新領域創成科学研究科 環境システム学専攻 循環型社会創成学分野

【国際政治学】気候変動に関する国際交渉および合意形成過程を分析し、国際制度を国際政治学的な視点から研究する。

亀山・田崎・松橋研究室 HP

 

CO2排出権取引、気候変動の政策評価に取り組む

新澤秀則

兵庫県立大学 経済学部 応用経済学科(/経済学研究科 経済学専攻、地域公共政策専攻)/経済学部環境経済研究センター

【環境経済学】温室ガス排出権取引の専門家。新設されたばかりの環境経済研究センターでは、「企業はなぜ二酸化炭素(CO2)を排出するか」などの課題解決にあたる他、環境保護に必要な費用や、環境を守るための制度設計、政策評価といった観点から、CO2排出権取引や気候変動など環境分野の問題に取り組む。

新澤秀則 HP

 

CO2排出による損失の評価と最適化モデルの開発

森俊介

東京理科大学 理工学部 経営工学科(/理工学研究科 経営工学専攻) 

【エネルギーシステム】地球を8地域に分割し、エネルギー・資源、経済活動、土地利用、食糧需給なども考慮し、CO2が多く出るとどれだけ損失が出て、今どんな対策が有効かがわかる最適化型のモデルを開発した。

森研究室 HP

 

持続可能な低炭素社会づくりプロジェクトに取り組む

吉田文和

北海道大学 経済学部/経済学研究科 現代経済経営専攻 経済政策コース 

【環境経済学 産業技術論】最近は低炭素経済と再生可能エネルギーの普及に関心を持つ。札幌郊外の野幌原始林の近くに住み、自然観察と散歩を趣味とするグリーン経済学者。北海道大の分野横断的な「持続可能な低炭素社会」づくりプロジェクトに取り組む。一般の人にわかりやすく環境問題を説く。

吉田研究室 HP

 

行動経済学、実験経済学の第一人者

西條辰義 

高知工科大学 マネジメント学部 マネジメント学科 /大阪大学 環境イノベーションデザインセンター 

【実験経済学】経済学の新分野「行動経済学」と「実験経済学」の日本での第一人者。CO2の排出権取引について、取引が実際に成り立つかどうかを炭素税のかけ方など綿密な設定をした実験によって検証。最近は、社会科学のみならず生物学、脳科学と協働し、いさかいを解消する仕組みの研究をする。国同士の紛争、温暖化交渉も解決するかもしれない。

高知工科大学 マネジメント学部 西條辰義 紹介ページ

 

AIMモデル開発のトップ

甲斐沼美紀子 

国立環境研究所 社会環境システム研究センター 


【システム工学、政策学、経済学】国立環境研究所の故森田恒幸先生氏、京都大の松岡譲先生らともに、地球温暖化の緩和策そして影響を評価するためのAIMモデルを開発。AIMモデル(気候変動のためのアジア太平洋統合評価モデル)でナンバー1研究者である。

社会環境システム研究センター メンバー紹介ページ

 

エネルギー・技術研究

再生可能エネルギーのポテンシャル評価でナンバー1

倉阪秀史

千葉大学 法政経学部 法政経学科/人文社会科学研究科 公共研究専攻 

【環境経済学】再生可能エネルギーで原子力発電を代替することはできるのか、導入コストや設備を具体的に試算し、大胆な原子力発電代替案を提示した。今や再生可能エネルギーのポテンシャル調査でナンバー1研究者である。

倉阪環境研究室 HP

 

自動車の温暖化対策ではナンバー1

大聖泰弘

早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科/創造理工学研究科 総合機械工学専攻、環境・エネルギー研究科 環境・エネルギー専攻 

【機械工学】エンジンの燃焼技術や排気浄化、新燃料の利用技術に関する研究、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車の製作と性能評価を手掛けている。日本の自動車は、日本の運輸部門における温室効果ガス排出の約9割を占める。これに低炭素燃料や次世代自動車のエコ対策がどう中長期のCO2削減に影響を与えるかを分析した。自動車の地球温暖化対策、交通システム等の研究では、文字どおりナンバー1研究者だ。

大聖研究室 HP

 

CO2問題を解決するエネルギーシステムの最適化研究

松橋隆冶

東京大学 工学部 電気電子工学科/工学系研究科 電気系工学専攻 電気電子工学コース 

【環境影響評価】大学の修士課程で核融合プラズマの研究をしていたが、子どもの頃から興味を持っていた「環境」へ。博士課程で茅陽一(現・地球環境産業技術研究機構 理事長、東京大学名誉教授)研究室を選び、これからはCO2による地球温暖化が重要な課題になると指導を受けたことが大きな転機に。CO2問題に対応できるエネルギーシステムの最適化研究に進んだ。IPCCの代表執筆者として関わったこともある。

松橋研究室 HP

 

日本でもっとも精密なCO2削減ツールの開発

下田吉之

大阪大学 工学部 環境・エネルギー工学科/工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 共生エネルギーシステム学講座 

【エネルギー学】日本でおそらく最も精密なCO2削減ツールを開発した。研究テーマは「都市エネルギー最終需要モデルを用いた温室効果ガス削減予測」。一般的なモデルはエネルギーの供給側から予測を積み上げるが、それと異なるのは、人々の欲求や経済的な効用を重視しエネルギーの消費側からデータを積み上げた予測ということだ。「可能な限り世帯や人の行動を標準化せずにモデルに落とし込んでいる」と先生は言う。

下田研究室 HP

 

スマートグリッド、新交通システムに取り組む

舟木剛 

大阪大学 工学部 電子情報工学科/工学研究科 電気電子情報工学専攻 電気電子システム工学部門 

【電力工学】電力・エネルギーシステム、交通・物流システムを対象とした、スマートグリッドやITS(高度道路交通システム)における創エネルギー・省エネルギーの要素技術開発、システム運用技術開発を通して、地球規模の課題、環境・エネルギー問題に取り組む。 

舟木研究室 HP

 

分散型エネルギーシステムの最適導入戦略を練る

藤井康正 

東京大学 工学部 システム創成学科/工学系研究科 原子力国際専攻 

【システム工学】従来の独占的な電力ネットワークから転換した、分散型エネルギーシステムの導入を研究する。個々の家庭のエネルギー需要を積み上げたシミュレーションモデル、太陽電池や燃料電池を使った分散電源の最適導入戦略を導出する。大規模な世界エネルギーシステムモデルによる地球温暖化問題対策の評価や、日本のエネルギー安全保障政策・環境政策のゲーム論的な検討を行う。

エネルギーシステム研究室 HP

 

再生可能エネルギー利用のプロジェクトを継続中

鈴置保雄 

名古屋大学 工学部 電気電子・情報工学科/工学研究科 電子情報システム専攻 電気工学分野 エネルギーシステム講座 

【電子・電気材料工学 エネルギー学】研究テーマは「環境に調和した高効率エネルギーシステムを目指して」。エネルギー・資源学会の再生可能エネルギーの新プロジェクトで活躍。平成20~24年「低炭素社会を目指して―要素技術・エネルギーシステムから、実現への政策まで」プロジェクトを終え、平成24年から「再生可能エネルギー利用に関する調査研究」プロジェクトが推進中だ。

鈴置研究室 HP

 

夢の低公害車でベンチャー創業

清水浩 

慶應義塾大学名誉教授


【電気自動車】国立公害研究所(現・国立環境研究所)で大気中の汚染物質を調べる装置の開発や測定をしていたが、幹線道路の深刻な汚染を前に汚染を根本的に改善する「武器」を作りたいと一念発起。独学で機械工学や電気工学を学び、子どもの頃から大好きだった自動車の開発に着手。従来の電気自動車は、ガソリン車のエンジンをモーターに置き換えただけのものがほとんどだったが、動力源が電気モーターであることに着目。国立環境研究所と自動車・ハイテクメーカーとの共同研究で開発した、タイヤの中にモーターを入れた8輪車エリーカで1回の充電で走行距離268キロ、最高時速370キロの世界記録を作った。自動車関連などの企業との産学連携で、本格的な製造・販売まで行うベンチャービジネスも本格的に始動。超低燃費でCO2を排出せず、乗り心地も抜群の電気自動車の普及をめざす。

 

風車博士は健在

牛山泉 

足利工業大学学長、工学部 創生工学科 自然エネルギー・環境学系(/工学研究科 情報・生産工学専攻)

【風力発電】風力発電で世界的に知られる。エネルギー量の見積方法から、風車技術、構造設計、送電網につなげる系統連結まで、風力エネルギーの利用技術研究を網羅。風車のあるところなら世界各国どこへでも訪れるバイタリティーで、開発途上国での技術援助はライフワークの1つ。

牛山研究室 HP

 

低炭素社会の実現に向けて次世代の先進エネルギーシステムのあらゆる実証研究を

柏木孝夫 

東京工業大学 ソリューション研究機構 先進エネルギー国際研究センター/環境エネルギー機構 エネルギーセンター エネルギーシステム部門

【エネルギー工学】CO2の削減に最適なシステムや技術の組み合わせのシミュレーションで実績。従来のエネルギーシステムに、いかに環境負荷の少ないものを組み込んでいくか、都市の省エネルギーを総合的に研究してきた。経済産業省の顧問的な役割も。東京農工大学退官後の現在、低炭素社会の実現に向けて次世代の先進エネルギーシステムを実証するAES先進エネルギー国際研究センター・センター長。

温暖化問題、骨太の論客

山地憲治 

地球環境産業技術研究機構 研究所 CO2貯留研究グループ 


【エネルギーシステム分析】バイオマス等の新エネルギー利用技術から排出権取引や核燃料サクル等の政策・経済問題までエネルギー学のすべてを体現するかのような、広範な専門領域と卓越した知見は右に出る者がない。温暖化が話題になる前からこの問題に注目し解決を模索していただけに、一時の風潮にあおられない骨太の提言は現実味があり、現在日本のエネルギー行政・業界ともに最も影響力を持つ。

CO2貯留研究グループ 山地憲冶 紹介ページ

 

地球温暖化研究が学べる大学

地球温暖化問題を知る

地球温暖化問題研究者、ポスト3.11のCO2ゼロ社会を語る!

西岡秀三 地球環境戦略研究機関

西岡先生インタビューはこちら