高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本
~大学生が大学の授業と本を紹介
山田修平さん(京都大学工学部物理工学科1回生) ※学部・学年は2016年3月現在

山田さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」
『アルジャーノンに花束を』
ダニエル・キイス 小尾芙佐:訳(ハヤカワ文庫)
周りよりも劣っていると思ってしまったり、逆に優越感に浸ってしまったり。高校受験を控えていたときに出会った本だが、大学への受験勉強中に何回も読み返してしまうほど受験との相性が良い本だと思う。この本のおかげで、何のために勉強するのかきちんと考えようと思えた。
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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ
<京都大学工学部物理工学科編>
◇物理学基礎論(A) [1回前期]
高校物理(力学分野)で習った公式の数々を運動方程式から導く。高校時代は理屈抜きに覚えさせられた数々の数式が、意味のあるものに変化していく過程が面白かったです。
◇Contemporary Economics [1回前期・後期]
英語授業。前期はミクロ、後期はマクロ経済学の基礎部分についての講義。ドイツ出身の教授の授業なので、日本的な講義ではなく、プレゼンテーションやディスカッション、グループワークなどがたくさんあります。
積極的に知識を活用できるゼミのような感覚で講義を受けられるのでとても楽しいです。また、経済学的な考え方は知っていそうで知らなかったので、世界観が広がりました。
大学生になって

ヨット部に入っています。毎週土日は琵琶湖で練習しています。高校時代と違って、大学の部活はすべて学生主体で動きます。組織運営についてもたくさん学べます。
進路について話そう
■進路に影響を与えた本

『ジュラシック・パーク』
マイケル・クライトン 酒井昭伸:訳(ハヤカワ文庫)
高校1年生の春に出会った。映画のように娯楽大作なのかと思いきや、現代科学や企業の研究活動に対する鋭い考察のような部分もあり、理科に興味を持ったきっかけになった。
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■進路を決めるにあたって、とった行動
毎年10月あたりに京大が開いている、研究者と語る会、という企画に参加した。京都大学の学園祭(通称NF)に参加した。(高2)
■高校時代にやっておくとよいと思うこと
高校は高校生しかできないことを精一杯やることが大事だと思う。将来のために現在を犠牲にしているという考え方で高校生活を送るのは良くない。
今も精一杯楽しんで、楽しみつつも将来に向かって頑張ることだって不可能じゃない! 部活や遊びも、受験勉強も今しかできないから。
■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本

『史上最強の哲学入門』
飲茶(マガジン・マガジン)
物事の考え方を考える、そのような考え方を教えてくれた本。難解な用語や回りくどい表現などは一切なく、ドラマチックに哲学史を描いています。この本は中3のときに出会ったのですが、いまも読み返しますし、倫理選択の友人に貸し出した時も好評でした。歴史は教科書を読んでいてもロマンが伝わりますが、倫理の教科書はどうしても退屈になりがちなので…。
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