高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本
~大学生が大学の授業と本を紹介
中山義裕さん(東京大学前期教養学部文科二類1年) ※学部・学年は2016年3月現在

中山さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」
『エッセンシャル思考』
グレッグ・マキューン 高橋璃子:訳(かんき出版)
大学進学後、自由な時間と無数の選択肢の中で自分を見失ってしまうことがありました。そんな時「何が今自分にとって本当に大事なのか」を考えると、それ以外を切り捨てる勇気が湧き、本当に大切なことに心と時間のゆとりを持って取り組めます。この本は僕に、その心構えと方法を教えてくれました。「忙しいのに充実してない…」「何がってわけじゃないんだけど、行き詰まりを感じる…」。そんな時はどうぞ読んでみてください!
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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ
<東京大学前期教養学部編>

◇英語中級「Sociolinguistics」 [1年後期]
言語と社会との関係が、世界の様々な地域での実例を取り上げながら講義されます。単一言語社会である日本では特に意識することの少ない言語。言語の社会的な役割を知ることで、そのより効果的な使い方や人間関係への影響にも興味が湧きました。
◇初年次ゼミナール「渋江抽斎を読む」 [1年前期]
当時の時代背景や森鴎外自身の経歴から、どういった経緯で執筆に至ったかなどを踏まえつつ、1つの文学作品と筆者の人生とを読み解いていくゼミです。毎回配布資料をじっくり読み込み、どういった内容だったかを生徒同士で厳密に議論し、その結論を積み重ねて解釈を導いていきます。
様々な資料を厳密に読解し、分析するのは大変な作業でしたが、様々な視点から議論を重ねていくことで、当時の空気感や著者の人生が次第に見えていくのは圧巻でした。文系の研究がどのようなものかの一端を垣間見ることができ、大学に入ってアカデミズムというものを初めて肌で感じられた講義でした。
大学生では

海外インターンシップの企画、運営にたずさわり、海外の学生の、日本の企業での就労体験のお手伝いをしています。他には、外国人の都内観光案内もしています。
勉強の伴わない活動はしていません。上のインターンシップの企画、観光案内も必ず本や先輩の話から知識を身につけて、実践をしています。高校時代と違うことは、実践を前提として知識を身につけることが増えたので、自分の能力となっている実感が強く、充実感があります。
進路について話そう

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと
大学入学後に卒業生の方々にも言われたことですが、何年後に何が役に立つかなんてわかりません。役に立つかもわからない興味のないことに時間を割くより、興味が少しでもあることをとことんやるのがいいと思います。どんな能力でもぶっちぎれば、きっと何かの役に立つはずです。そういった意味で好きというのは才能ですから、ぶっちぎってください。やりたいことをやりましょう、行きたい大学へ行きましょう。
受験勉強は面白くないこともあると思いますが、自分の脳の特徴を知ったり、抽象的な概念の扱いに慣れたりするなど、いろいろなことの練習になるので、ぜひ頑張ってやってみてください。
■高校時代に読んでおくとよい本

『知の逆転』
ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソン 吉成真由美:インタビュー・編
(NHK出版新書)
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