高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本

~大学生が大学の授業と本を紹介

栗田康平さん(早稲田大学法学部1年)                  ※学部・学年は2016年3月現在

栗田さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」

『一九八四年』

ジョージ・オーウェル(ハヤカワepi文庫)

「1984年」という年は、この本の中では未来です。1984年、世界ではあらゆる自由が制限されていました。都合のいいように言語も改定され、記憶の操作までもが行われ、生活水準は低くなる一方。これはすべてビッグブラザーによる強権的独裁支配の結果です。オーウェルは反ファシズムを唱えてこの小説を発表したため、政治的な主題がありますが、娯楽性あふれる読み物としても、文学的にも、憲法論的にも、言語学的にも、面白い一冊です!
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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

<早稲田大学法学部編>

◇導入演習[1年時]

 

教授によって科目や内容は若干異なりますが、だいたいは判例や学説について数人のグループで調べて発表する、ゼミ方式の授業です。1年生から、教授の話をただ聞くだけではなく、自分で法律問題を調べて自分なりの考えをまとめて、それを同級生たちとぶつけていくのは非常に面白いです。

◇総合講座「ドイツ語圏を知る」[1年前期]

毎回異なる先生が話をするオムニバス形式です。先生によってそれぞれの専門分野について、ドイツにまつわる話をしてくれます。内容はドイツの法律、歴史、文学、社会、教育、日本との関わり、サッカーの話などです。


毎回先生が変わるので、単純に面白いです。さらに、それぞれの先生が専門分野について話をしてくれるので、いろいろな分野に目を向けることができ、ドイツにも興味を持つことができるからです。さらに、テストは10人以上いる講義をした先生の中から2人の問題を選ぶという方式なので、対策も十分できます。
 

◇授業以外には・・・

 

憲法講演会、法律討論会、模擬裁判の見学などがあります。

 

大学生になって

インカレ学生団体での国際交流、サークルでの弁護士との活動などです。高校時代も模擬裁判に出場するなどしていたので関連がなくはないですが、全国各地からいろいろな人が集まっていることで、あらゆる活動のスケールが大きくなっていると思います。

進路について話そう

■進路に影響を与えたメディア

 

テレビで検察官が「自分の仕事は被害者を守ることなんだ」というようなことを言っていて、その発言の時の気迫と視線に感動して、僕も検察官になって人の役に立ちたいと思いました。ちょうど同時期に「HERO」というドラマを見たことも影響したかもしれません。検察官を目指すなら、当然法学部だというように決まりました。

 

■進路を決めるにあたって、とった行動

 

僕は高校に入る段階で大学の学部を法学部に決めていたので、何とも言えないのですが…。ただ、いろいろな社会の問題を見てみたいと思って、高校が開いてくれたセミナーなどにはよく参加していました。

 

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

進路や大学を決める時には、やはり自分が将来就きたい職業を決めることから始めるべきだと思います。人生の中で、学生である期間は小学生から大学生までの16年間が一般的です。しかし、いったん仕事に就いてからは、転職が少ない日本では30年以上同じ仕事を続けるということも珍しくないはずです。その30年間の職業を何にするのが自分にとって一番有意義なのか、この点を考えてほしいと思います。正直言って、様々な学生団体がある現代であれば、どこの大学であってもやる気を出せばたいていのことはできると思います。とにかく自分の未来を見据えて勉強し、自分の可能性を伸ばせる進路を選んでいくのがいいのではないかと思います。

 

■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本

『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

長谷部誠

(幻冬舎文庫)

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『犯罪と刑罰 』

 ベッカリーア

(岩波文庫)

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