高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本
~大学生が大学の授業と本を紹介
多家瑞貴さん(津田塾大学学芸学部国際関係学科2年)※学部・学年は2016年3月現在

多家さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」
『僕らが世界に出る理由』
石井光太(ちくまプリマ―新書)
若い頃から世界をまわり、ルポライターとして活躍している筆者が、旅に出た理由やぶつかった壁、経験を語りながらいろいろな疑問に答えています。現代のグローバル社会の中でどうしたら自分の夢に向かって走り出せるか、分岐点で立ち止まって迷っている人の背中を押してくれる一冊です。
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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ
<津田塾大学学芸学部国際関係学科編>
◇国際機構論 [2年通年]
国連を中心に国際機構の現状と国際関係における存在意義について、創設の経緯やこれまでの歴史的な流れの中での役割の移行から考えるとともに、国際機構が国際社会の平和と安全に果たす役割の可能性と限界を探ります。過去の国連に関連したTV番組をみることも。
高校まではただ漠然としたイメージしかなかった国連が、具体的にどのように活動して国際社会に貢献し、かつどのような問題を抱えているのかをこの授業で初めて知りました。また、国連がNGOや企業、国家とどのように絡み、交渉していくのかを批評していきながら見ていくのは新鮮でした。
◇文化人類学 [1年通年]
アフリカでの民族を主な例に取り上げ、異なる文化や社会の研究を通して世界の地域社会が直面している現代的な課題について学び、人間理解に迫ります。
例えば、アフリカの貧しい村に支援目的で小学校を建てる。聞こえはとても良いし、実際それがためになっている例ももちろんありますが、はたして学校を建て、西洋的教育を受けさせることが全ての地域の子供たちにとってためになるのか。村全体のコミュニティを崩壊させてしまう恐れもあり、西洋文化の押しつけにはならないのか。そんな今まで考えたこともなかった視点からの授業はとても興味深かったです。
◇授業以外には・・・
1年でニュージーランドでの環境保護プロジェクト、2年でイギリスでの1か月間の英語研修に参加しました。
大学生になって

ストリートダンスのサークルに所属しています。高校時代の吹奏楽部とはまた違いますが、仲間とイベントを作り上げていくところには同じものを感じます。高校時代と違うところは、顧問となる先生がいないこと。サークルの運営もイベントも主催も外部レッスン参加の交渉も全て自分たちで行います。
進路について話そう

■進路に影響を与えたメディア
テレビのニュースや戦争ものの映画は自分の進路に影響を与えてくれたと思います。小さい頃から様々な紛争やテロ、難民のニュースを見て、国連があったり、世界に平和を呼びかける団体もたくさんあったりするのに、どうして全然平和にならないんだろうと何となく思っていました。
■進路を決めるにあたって、とった行動
国際社会について勉強できる大学を中心に探しました。先生にアドバイスをもらったり、資料を請求したり、オープンキャンパスに参加したりといった具合です。
■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと
正直言って、大学に入る前に将来の進路を決めている人はそれほど多くないと思います。だから、既に決まっている人、目標のためにもう動き出せているということは、本当にすごいことです。そういう人は、自信を持って、自分がやりたいことを本当にできるところを妥協しないで探して、頑張ってください。
決まっていない人は、焦る必要は全然ないと思います。でも、何となく楽そうだからという理由で、何となく大学に入ってしまうと、本当にあっという間に何となくで大学は終わってしまいます。勉強にしても、サークルにしても、趣味にしても、自分が大学で打ち込めることを何か考えておくといいと思います。という私自身、あっという間に2年間、大学生活が過ぎてしまい、今少し焦っています(笑)。
■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本

『きみたちと現代―生きる意味をもとめて』
宮田光雄(岩波ジュニア新書)
四章構成「生きるということ」「現代社会を生きる」「みんなと生きる」「平和をつくりだすもの」を通して、私たちが現代をどのように生きていくべきなのかを問いかけています。出版が1980年なので必ずしも筆者の言う現代が今の時代にぴったり当てはまるとは限りませんが、これからの自分について少し立ち止まって考えるきっかけになると思います。
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