高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本

~大学生が大学の授業と本を紹介

大金優子さん(国際教養大学国際教養学部2年)         ※学部・学年は2016年3月現在

大金さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」

『大学教育について』J.S.ミル(岩波文庫)

この本には学ぶ姿勢を教えてもらいました。どの学部に進学するにせよ、高校や大学を卒業した後も、私たちは学び続けます。進路を決める上でも、進学先でより良い学びを得るためにも、学ぶ姿勢を身につけることは大事なことだと思います。言葉も難しくなく、内容もわかりやすいのでとてもオススメです。

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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

<国際教養大学国際教養学部編>

国際教養大学のキャンパス 大金さん撮影
国際教養大学のキャンパス 大金さん撮影

◇EAP (English for Academic Purpose/英語集中プログラム)

 

基本的に入学後最初の学期に実施。TOEFLの点数や授業の成績が取れていないと卒業できません。レベルは1〜3まであり、3の卒業をもってEAPを卒業となります。


科目は、Speaking & Listening、Reading、Writingの3種類。人数は15名程度で、ディスカッションやグループワークが授業の主な形態です。教科書や時事問題、様々なトピックについて、グループでプレゼンテーションを作ったりディスカッションをしたりします。卒業後、英語を学問的に使うことや、よりアカデミックな授業を英語で受けるためのプログラムです。


私はずっと日本の、特に英語とは無関係なコミュニティで育ったため、英語力にすごく不安がありましたが、EAPによって英語で授業を受け、英語で学問的に考える技術が身についたと感じています。

 

国際教養大学のキャンパス 大金さん撮影
国際教養大学のキャンパス 大金さん撮影

GEO270 Rural Geography(村落地理学)

 

BE(一般教養科目)で、入学後最初に行うEAP(英語集中プログラム)を卒業すれば、いつでも取れます。本来は1~2年生向けの講座です。


基本的に教授による講義ですが、生徒数が10人程度で、授業中に生徒が発言する機会も多くあります。映画や学術的な記事に対する感想文が求められ、提出した感想文に対し生徒がコメントする課題などもあり、先生や生徒間でのコミュニケーションが活発です。


人文地理学という学域ではあるものの、ある場所の一つの社会問題に対し、社会学、哲学、科学、その他様々な観点からアプローチをします。リベラルアーツらしい授業で、私はとても気に入っています。


それから、秋田という土地柄。村落地理学の勉強をして改めて秋田を見つめてみるととてもおもしろいです。私は都市地理学も受講したのですが、都市地理学的な観点から地元の横浜を見つめて気付くことがとても多かったです。また、外国籍の教授や生徒から見た日本を知ることができ、とても興味深かったです。

 

◇授業以外には・・・

 

考古学や花道、茶道、文化遺産、生物学など、様々な授業で、白神山地や秋田県の様々な場所を訪れるフィールドトリップがあります。他には、大学の先生と生徒が主体となって、秋田角館地区のツーリズムや秋田の特産品を使った商品開発などが行われています。

 

大学生になって<勉強以外で打ち込んでいること>

 (1)写真
外国人向けに秋田県内の旅行プランを提供する会社でアルバイトをしていて、その仕事の一環として写真を撮ることに打ち込んでいます。広報のための商材として使われるため、自分では手に入れることのできない高価な機材に触れることもあり、スキルアップのためにのめり込みました。

(2)読書
リベラルアーツということで、多角的な視点から物事にアプローチすることが日々求められているため、課題を除いても、高校時代に比べて読書量が圧倒的に増えました。英語で論文を読むこともあれば、哲学的な本を読むこともあります。

進路について話そう

■進路を決めるにあたって、とった行動

 

オープンキャンパスに参加した他、できるだけ多くの在校生に連絡を取り、大学生活や授業についてとことん話を聞きました。また、関心のあった他大学の学生にも連絡を取り、内容を比較しました。

 

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

大学卒業時の自分に求めるものを明確にしておくこと。自分で考えることです。私は秋入学で、ギャップイヤーという特殊な受験方法で入学しました。他の人と受験方法が違うことや、地方の新設の学校に行くということで、周りから止められることもあり、より深く考えることができたと思います。入学して1年が経ち、自分が望んだ道に自分の力で歩めていることがすごく恵まれたことだと感じており、受験の時に散々考えた自分にとても感謝しています。


■大学に入るにやっておくとよいと思うこと

 

私は大学に入る前の半年間、ギャップイヤーとして、少しだけ社会に出る機会がありました。そこで感じたことや考えたことは、大学入学後の自分の行動にとても影響しています。ほとんどの人は受験終了後から入学まであまり時間がないと思いますが、今まで足を踏み入れたことのないコミュニティに顔を出すなど、いろいろな挑戦をしてみてください。

 

■高校時代に読んでおくとよい本

 

一番上で紹介した『大学教育について』(J.S.ミル)に、以下の2冊も含めて、これらの本には学ぶ姿勢を教えてもらいました。

『読書について』   ショウペンハウエル(岩波文庫)


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『知性について』   ショーペンハウエル(岩波文庫)

 
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