高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本
~大学生が大学の授業と本を紹介
織部峻太郎さん(東北大学医学部医学科1年) ※学部・学年は2016年3月現在

織部さんが薦める「高校時代に読んでおきたい本」
『数学する身体』森田真生(新潮社刊)
高校時代に、文系・理系を決める大きな要因となっているのは、その先の学部や職業だけでなく、数学が得意であるかどうかではないでしょうか。私自身も例外ではなく、進路選択において、当初は数学が苦手であったことから文系を選びました。しかし、そのような決め方は本来あるべき姿でしょうか。
筆者は、文系として大学に入学したのち、ひょんなきっかけを経て、人生をかけて数学を研究することになります。本書を読むことで、現在の数学が、高校生が普段触れている受験数学と異なり、様々な人の思索を経て成り立っていることがよくわかります。そうした一連の「流れ」を知ることで、苦手な人には今ひとつ見出しにくい数学を学ぶ楽しさ・意義がわかるのではないかと思います。
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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ
<東北大学医学部医学科編>
◇臨床一次修練 [1年夏期休暇に実施]
大学病院、学外施設(老人ホーム、介護施設、ハンセン病の施設など)に行き、各診療科を回る。私の場合は、東北新生園(ハンセン病療養所)、大学病院看護部、検査部、胃腸外科、産科。(期間は1ヶ月、土日を除く毎日)
将来なるであろう医師だけではなく、看護師、ケアマネの方から医療がどのように見えるかを学ぶことができました。医療をより俯瞰的な視点から見るのに、必ず役立つと思います。
◇建築意匠論 [春学期前半]
建築史を主に扱う。建築が時代を経てどのように変化してきたのか、建築において窓の持つ意味とは何なのか、などについて考える。
建築という、一見医療と関係のない分野ですが、何か問題や不便なところがあり、それを解決するために、様々なアプローチ(材料、色、形状など)をとるところは医療においても学ぶところが多いと感じました。
◇授業以外には・・・
研究室訪問(基礎系・臨床系)や、東北大学の先生に限らず、医療界で活躍されている様々な方の講演があります。
大学生になって
勉強以外に打ち込んでいることは、フットサル、そしてチームを組んでビジネスコンテストに出場していること。既存の医療がもっと良くなるためにはどうすれば良いかを考えています。高校までの学びと違うのは、答えがあるわけではないこと、他分野の人にアドバイスを求めたりなど、問題解決のための手段が多くあることです。
進路について話そう

■進路に影響を与えたこと
はじめは文系に進み、法律家になるつもりでしたが、高校の時に行った老人ホームでのボランティアで、自分が現場のことを何も知らないことに気づき、もし社会を変えるのなら、一度医療者として現場を見てからだと思い、医学部に進学しようと思いました。
■進路を決めるにあたって、とった行動
オープンキャンパスへの参加、医学生、医師に仕事や勉強の内容を訊きました。
■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと
自分が今進もうとしている道が、「好き」なのか「得意」なのかを見極めること。特に後者の場合は、大学以降優秀な人たちと会って自信をなくしてしまうことがあるので、注意すること。
高校時代は、進路を決める要因が親か教師くらいしかないので、もっと社会と接して進路を選択することが必要だと思います。
■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本