高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本

~大学生が大学の授業と本を紹介

宇都木大樹さん(国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科2年

                                                                                                 ※学部・学年は2016年3月現在

宇都木さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」

『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』

遙洋子(ちくま文庫) 

私がこの本を初めて読んだのは、浪人生最後の授業の終わった帰りの電車の中でした。大学生としての学びが始まる時。学習のスタイルで言えば、受動的学習から能動的学習への変化とも言えます。大学という場で始まる新たな学問の準備になり、学問への意欲が湧く一冊です。

 

この本は、タレントである著者が、上野千鶴子という当時の東京大学の教授のゼミに参加し、学問や社会問題についての考察や気づきをまとめたエッセイです。

 

自分の知らなかったトピックや学問にどう取り組んで行くことができるのか、学ぶとは何か、社会学やフェミニズムとは何か、疑問や不条理にどう立ち向かうかなどのヒントが見つかるはずです!大学という様々な知が行き交うフィールドに立つ準備の一冊にしてみてはどうでしょうか。

[出版社のサイトへ]

大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

<国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科編>

平和研究2 [秋学期]

 

平和研究を歴史的・思想的に紐解きながら、現代の問題にも多分にフォーカスします。年によって、設定されるテーマが異なり、2015年度は“南を考える”というテーマのもとで、南をとりまく現代問題や南をテーマにした講演も含まれました。世界・日本両方の平和について学ぶことができます。

 

教授の博識さ、熱心さがひしひしと伝わる授業。毎回のコメントシートやレポートには丁寧な返事が提出者全員に返ってきます。平和研究というと、アフリカやどこか遠くのことを想像しがちですが、平和研究がどれだけ日々の生活に身近なことなのかに気づかせてくれる授業です。学生間でのディスカッションも数回開かれ、学生間での交流も生まれます。

 


宗教と国際政治 [春学期]

 

国際関係と宗教の関係性、宗教がどう人々に関係しているかを、哲学的視点を織り交ぜながら展開する授業。開講言語が英語ですが、様々な国際問題・宗教問題について、英語という言語の視点から学べます。

 

英語ということで、主語が日本ではなくなるので、国際関係と大学では身近な学問が新たな切り口から学べます。宗教といっても、特定の宗教のみを深めるのではなく、哲学的な視点から自己と他者との関係性をも含むので、無宗教などといわれがちな日本人でも学ぶ点がとても多いです。レポートにおいてもディスカッションにおいても、自分という主語のもと展開しなくてはいけないので、国際関係の中に自分を見出すことができます。

 

大学生になって

HLABという高校生向けサマースクールの開催に打ち込んでいます。主体的な進路選択をテーマに、東京・長野・徳島・東北において全国4都市で開催します。ハーバード大学の学生をはじめとする海外大学生と日本人大学生によるセミナーの開催や、社会の最前線で活躍する方々からの講演や自己との対話を目的としたリフレクションを行います。

 

進路について話そう

■進路に影響を与えた本

 

『私の職業は武装解除』瀬谷ルミ子(朝日文庫)

『芸術立国論』平田オリザ(集英社新書)

『ハーバード白熱日本史教室』北川智子(新潮新書)

 

■進路を決めるにあたって、とった行動

 

・実際に授業を聴講する

・先輩に話を聞きに行く

・シラバスを使い、授業や教授の情報を参考に自分のやりたいことができるかを調べる

 

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

・学費や一人暮らしする場合などでの、一年間にかかる費用の合計

・授業・教授の質、開講科目(シラバス参照)

・サークルやバイトなどのしやすさ

・選択肢がどれだけあるのかを想像すること

・自分の興味のあることを深化させる。また可能性を知る

例)経済→行動経済、心理学、開発経済 哲学→西洋古典、倫理、現代哲学、美学等

などをじっくり調べてみるとよいと思います。

 

■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本

言葉がひらく哲学の扉』

フォーラム哲学:(青木書店

 

[出版社のサイトへ]

『ドーナツの穴だけ残して食べる方法 越境する学問-穴からのぞく大学講義

大阪大学ショセキカプロジェクト(大阪大学出版会


[出版社のサイトへ]