高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本

~大学生が大学の授業と本を紹介

松岡大雅さん(慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科1年

松岡さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」

『社会を変えるには 』

小熊英二 (講談社現代新書)

進路に影響を与えた本でもあります。小熊先生は社会学の教授であるため、この本は社会学的な内容が中心です。社会学というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、現実に私たちが生きているのが社会です。私と社会とを切り離すことは、究極的にはできないのです。この本は私に、社会を構成する一員としての自分の意識を持たせてくれました。様々な政治的状況・経済的状況・国際的状況…が混在する中で、自分自身がどのように行動するべきなのか。学問ではなく、「生きる」ことに通じる本だと思います。ぜひ、大学生という大人の一歩手前に差しかかる皆さんに読んでいただきたいです。

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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

<慶應義塾大学環境情報学部編>

夕暮れのSFC藤沢キャンパス
夕暮れのSFC藤沢キャンパス

◇デザイン言語実践 [1年秋学期]

 

学期を4分割し、4人の専門の違う先生の講義を受けるという形式で、先生は3週にわたって講義を展開します。グループワークがメインで、3週で一つの完成されたプロダクトを提出。授業外のグループワークも重要です。「デザイン言語実践」のプロダクトとは、a.二進数計算器(電子式ではないもの)、b.新素材で作る花瓶、
c.3Dプリンター、d.音楽となっています。

4つの違うジャンルでプロダクトを作り上げる大変さと、作り上げた時の達成感があります。全く自分の知らない分野のことも、4人のメンバーと協力し、1+1+1+1=4以上の成果を上げなくてはならない難しさを知ることができます。また、たくさんの他グループのプロダクトを見ることで、新しい発想や自分のアイデアを生み出すことができます。

環境情報学 [1年春学期前半]

毎回違う先生が自分の専門について1回ずつ講義をします。最終発表では、自分のプロダクトを用いた3分間のプレゼンテーションを、約500人の受講者全員の前ですることができます(希望者のみ)。


最終課題のタイトルが「私の地図をつくる」でした。何でもいいので自分の地図を作るのが課題です。それは地理的なものでなくてもかまわず、とにかく自分で「地図」を考えることが求められていました。私の場合は、「ある場所の概念をイメージ化した地図」を作りました。場所というものには人それぞれの概念があって、自分の中での概念を幾何学模様を用いてイメージ化しました。


その道を極めた様々な分野の先生の講義を聴くことができ、毎週楽しみにこの授業に臨みました。最終発表ではプレゼンテーションをし、賞をいただきました。

進路について話そう

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

より多くの本を読み、たくさんの関心に目を向けること。そうすることで、本当に自分のやりたいことが見えてきます。自分にとって興味のない勉強を4年間やらなくてはならなくなったとき、それは苦痛でしかなく、無駄な4年間になりかねません。真に自分のやりたいことのできる大学を慎重に選ぶべきです。知名度・偏差値に惑わされてはいけません。
 

■高校時代に読んでおくとよい本

『デザイン思考が世界を変える』

ティム・ブラウン 千葉敏生:訳

(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

私たちが聞き慣れている「デザイン」は、車を例にとれば、車の外観や機能を開発することです。しかしタイトルにあるデザイン思考における「デザイン」とはそうではありません。ここでも車を例にとれば、車の体験(乗り心地、買った時、売り方など)の全てに通じるものです。デザイン思考は、いわゆるデザイナー以外の人にも必要とされているものです。これから大学・社会へと出て行く中で、新しい何かを創り出すみなさんにぜひ読んでほしい本です。
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『知的複眼思考法』

 苅谷剛彦(講談社+α文庫)

高校生までの勉強はいわば解答のある問題を解くものです。これからのみなさんの前に現れる問題は解答のないものばかり。社会人になればなおさらだと思います。この本は何をするにしても必要となる「考える力」の基礎が記された教科書です。常識にとらわれた単眼思考から抜け出し、複眼思考で創造的に自分の頭で考えられるようになりましょう。

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