高校時代にしておきたいこと、読んでおきたい本

~大学生が大学の授業と本を紹介

新藤宣和さん(学習院大学文学部哲学科2年生)         ※学部・学年は2016年3月現在

新藤さんが薦める「進路を決めたら、高校時代に読んでおきたい本」

『14歳からの哲学入門』飲茶(二見書房)

高校生のみなさんが哲学科に進学しようと思った時、「何の哲学の知識もないし、興味だけで哲学科に入るのは少し不安だな」と思われるかもしれません。この本はそんな方にもわかりやすいように、巧みなたとえ話や著者自身の考えを交えつつ、これまでの哲学者の思想を実に丁寧に説いてくれています。哲学科への進学を考えていない方も、ぜひ一度は手にとって読んでみてほしい一冊です。 

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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

<学習院大学文学部哲学科編>

◇美学講義 [2年生~4年生、通年]

 

絵画や蒔絵、庭園や生人形などの歴史的美術とともに、近年のアニメ、映画、漫画などを通して現代日本における美と何なのか、また今後の在り方について考えるもの。様々な作品を通して、現代における美とは、ひいては自身における美とは何かを考察する良い機会となります。また、美術史的作品のみならず、現代のサブカルチャーまで網羅しているので、あまり構えずに取り組むことが可能です。


◇生命論 [2年生~4年生、通年]

半期は実際の法的な問題や医療・介護の現場、歴史的事件や西洋哲学の歴史などを通して生命がどのように考えられ、扱われてきたか、そして今後はどうあるべきかを考えます。もう一方の半期は、日本や東アジアにおいて生命がどのように考えられてきたのかを追いながら、西洋との齟齬を確認し、今後の生命倫理の在り方を考えます。

重いテーマではありますが、人間として一度は向き合い考えるべきテーマが学ぶことができます。最終的にどうすべきかは我々自身で考える必要がある点も、大学らしい良さであると思います。

 

◇授業以外には・・・

 

レポートの書き方などを大学院生や若手教員が指導するジュニアセミナーがあります。

 

大学生になって <勉強以外に打ち込んでいること>

打ち込んでいることは、美術部。高校在学時は美術部員ではなかったのですが、大学入学を機に美術部に入り、今まで知らなかった多くのジャンルを知り、体験することとなりました。こちらは、美術部で描いた作品です。

進路について話そう

■進路に影響を与えた本

 

『論語』、荘子、マキャヴェリの『君主論』、ニーチェの『善悪の彼岸』

 

■進路を決めるにあたって、とった行動

 

オープンキャンパスにしつこく参加して、教員に顔を覚えてもらいました。

 

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

自分がその道を選んで後悔しないことが第一だと思います。また、高校時代の得意科目などを基準にしようとするかもしれませんが、あまりに親和性のある学科は避けて、大学入学後に未知の領域に挑戦して新たな知識などを豊富に得られる方が、充実した大学生活を送れることと思います。

 

■進路を決めたら、高校時代に読んでおくとよい本

『哲学の謎』

野矢茂樹(講談社現代新書)

 

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『現代の哲学』

木田元(講談社学術文庫)

 

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