環境・バイオの最前線

循環型社会工学/リサイクル工学/ゴミ問題の研究者

ゴミに有害あり!の警鐘を鳴らす

酒井伸一

京都大学 工学部 地球工学科 環境工学コース/工学研究科 都市環境工学専攻/環境科学センター

【発生抑制、化学物質】ごく初期からゴミと有害化学物質の関係を扱い、処理技術の研究で常に日本をリードしてきた。特にダイオキシンの危険性にいち早く着目して国際会議の開催に尽力し、ダイオキシン研究の第一人者として国内外で最も著名。ゴミ問題は発生源に問題があるとして、clean・cycle・controlのいわゆる3C戦略による対処を提唱。国立環境研究所の循環型社会形成推進・廃棄物研究センター長として、有害化学物質の高度コントロールシステムと資源循環が両立する循環型社会の確立を訴え、京都大へ。データ処理が得意で、仕事の手際のよさと本を読む速さは研究者仲間の誰もが認める。

酒井研究室 HP


放射能汚染のリスク問題に循環型社会学が本気で取り組み始めた

米田稔

京都大学 工学部 地球工学科 環境工学コース/工学研究科 都市環境工学専攻

【環境保全】有害物質の摂取から健康影響発現までをモデル化し、リスクを定量評価する枠組みの構築に取り組む。環境汚染が身体に与える影響を明らかにする。特に最近専門の放射線衛生工学から、東北の現地調査による「リスク管理の視点から見た放射性物質・土壌汚染の対策」について提言している。

米田研究室 HP


水銀は新たな循環型社会学の世界的課題

高岡昌輝

京都大学 工学部 地球工学科 環境工学コース/工学研究科 都市環境工学専攻/地球環境学舎 環境マネジメント専攻

【中間処理】廃棄物は都市に集積された貴重な資源だ。積極的に再資源化,エネルギー回収などを図り、同時に環境の汚染やリスクを最小化することが強く求められる。処理・再資源化等の様々なプロセスで生じる現象の支配機構を解明し、効率的な新たな技術プロセスを開発、都市の代謝システムをデザインすることをめざす。今後の新たな国際的な循環型社会学研究の課題の1つ、微量有害重金属、水銀の発生源対策の専門家。

環境デザイン工学講座 HP


国際資源パネルの日本代表

森口祐一

東京大学 工学部 都市工学科/工学系研究科 都市工学専攻/新領域創成科学研究科 環境システム学専攻

【LCA】天然資源利用にかかわる国連環境計画(UNEP)「持続可能な資源管理に関する国際パネル」の日本代表を務める、東京大における循環型社会学研究の第一人者。ライフサイクル評価(LCA)、物質フロー・ストック分析(MFSA)、産業連関分析(IOA)、質的データ分析などの手法を用いて、人間活動と環境負荷・資源消費との関わりを定量的に分析し、より持続可能な都市システムの構築に向けた提案を行う。

都市資源管理(森口)研究室 HP


レアメタル研究の第一人者

岡部徹

東京大学 工学部 マテリアル工学科/工学系研究科 マテリアル工学専攻/生産技術研究所 サステイナブル材料国際研究センター

【レアメタル】20年以上、一貫してレアメタルの研究に取り組んでいる。“プロセス技術がレアメタルをコモンメタルに変える”ことを夢見て、チタンなどの新製錬技術の開発を行っている。最近は、ニオブ、タンタル、スカンジウム、貴金属などのレアメタルの製造プロセスや新規リサイクル技術、環境技術の研究も行っている。文字通り、レアメタル研究の第一人者だ。

Okabe Lab. HP


プラスチックのリサイクル研究

吉岡敏明

東北大学 工学部 化学・バイオ工学科 応用化学コース/環境科学研究科 先端環境創成専攻

【リサイクル】ポリ塩化ビニルのリサイクル研究を基礎から応用まで幅広く行い、廃プラスチックの再資源化に関する研究をする。この目的のために、プラスチックを、酸素が存在しない条件で、300~900℃の温度で熱分解する研究を行っている。高校では山岳部に所属し、学生時代は海外登山隊のメンバーまた有志とサッカーチームを結成し、リーグ戦などに出場。「学生時代の仲間は、かけがえのない貴重な存在」という。

吉岡研究室 HP


廃棄物の埋立地問題を継承する

田中(立藤)綾子

福岡大学 工学研究科 資源循環・環境工学専攻

【処分地問題】30年以上、廃棄物の埋め立て研究を続けた花嶋正孝先生(現・福岡大学名誉教授、福岡県リサイクル総合研究事業化センター名誉センター長)を後継し、埋立地における微生物の動態と廃棄物の早期安定化、廃棄物埋立地における有害化学物質の消長とその安全管理手法に関する研究、廃棄物埋立地における亜酸化窒素の発生メカニズムの解明と低減化に関する研究をする。

水理衛生工学実験室 HP


循環型社会学の理論経済学者

細田衛士

慶應義塾大学 経済学部 経済学科/経済学研究科 経済学専攻


【環境経済、市民運動】従来の経済理論では取り込めなかった負の価値について、商品を“goods(普通の商品)”と“bads(負の価値を持つ商品)”に分けることにより鮮やかに論証した理論派の経済学者。

Eiji HOSODA WEB

 

気鋭の産業エコロジーの経済学者

近藤康之

早稲田大学 政治経済学部 経済学科/経済学研究科 経済学専攻 

 

【産業連関分析】応用ミクロ計量経済学の手法を用い、廃棄物産業連関分析による廃棄物管理諸策の経済・環境影響評価を行う。気鋭の産業エコロジーの経済学者。

近藤康之研究室 HP


類のない環境法の専門家

大塚直

早稲田大学 法学部/法学研究科 民事法学専攻

 

【環境法】土壌汚染と企業の責任を追及し、環境問題の行方を探り、環境法入門を説く。廃棄物関連の法律、環境法の専門家で、ユニーク。

法学部 大塚直先生紹介ページ

 

北の大地の環境経済学者

吉田文和

北海道大学 経済学部/経済学研究科 現代経済経営専攻


【環境影響、法制度】IT機器の廃棄物による環境汚染問題に早くから注目し、警鐘を鳴らす環境経済学者。一般の人にもわかりやすく環境問題を解説する。

吉田研究室 HP


環境経済学の論客

島田幸司

立命館大学 経済学部 経済学科/経済学研究科 経済学専攻

 

【環境政策】元環境省の出身。地球温暖化問題にも詳しく、環境経済学のバリバリの政策の論客。住宅、耐久消費財の選好や行動のメカニズム、家庭部門での電力やガソリンなどエネルギー消費が価格、所得レベル、世帯属性等によってどのように変化するかを計量経済学的手法を用いて分析、都市形成方策を検討する。低炭素社会、循環型社会へ向けたコンパクトシティの有効性を明らかにする。

経済学部 島田幸司先生紹介ページ

 

総合的なゴミ処理を考える

松藤敏彦

北海道大学 工学部 環境社会工学科 衛生環境工学コース/工学院 環境創生工学専攻

【LCA、リサイクル】ゴミの発生、分別、収集から始まって、中間処理、資源化を経て埋立処分に至る「システム」としてゴミの問題をとらえ総合的廃棄物処理の構築を目標として様々な研究を進める。

廃棄物処分工学研究室 HP


廃棄物の埋め立て技術

島岡隆行

九州大学 工学部 地球環境工学科 建設都市工学コース/工学府 都市環境システム工学専攻

【処分地問題】埋め立て地の地下水やガスの動きを解析して、三次元の複雑モデルを開発。「福岡方式」に理論的な裏付けを与え、気候や地形の異なる海外での埋め立て技術の応用に貢献した。

環境制御工学研究室 HP


分析法開発

渡辺信久

大阪工業大学 工学部 環境工学科/工学研究科 環境工学専攻


【ゴミ分析】ゴミの燃焼時に発生する有害有機化合物分析のスペシャリスト。自ら分析装置を作るのがうまく、従来測定が困難だったハロゲン化合物の連続的な測定を可能にする簡易分析法を開発した。

廃棄物共存工学研究室 HP


震災ゴミ問題に奔走

浅利美鈴

京都大学 工学部 地球工学科 環境工学コース/工学研究科 都市環境工学専攻/環境科学センター

【3R政策】「研究者」という職業は、大学院に進むまで考えたことのない選択肢だったという。在学中に「京大ゴミ部」を立ち上げ、内定を得ていた放送局就職を断り、恩師に頼み、博士課程進学の道を選んだ。酒井伸一研究室の若手ホープ。東日本大震災直後、現地入りし、精力的なゴミ調査を行い、「災害廃棄物分別・処理戦略マニュアル~東日本大震災において」作成の中心人物として奔走した。京都大のエコキャンパス化にも取り組む。また、「びっくり!エコ100選」や「3R・低炭素社会検定」などを立ち上げ、社会にムーブメントをおこすべく、環境教育や啓発活動・情報発信にも力を注いでいる。

浅利先生所属の酒井研究室 HP


大学発、環境系の株式会社

小野田弘士

早稲田大学 環境・エネルギー研究科 環境・エネルギー専攻


【LCA】社会環境デザインをする永田勝也研究室の柔軟さが、環境系の大学発ベンチャー企業を生み出した。それが小野田弘士先生の㈱早稲田環境研究所だ。小野田先生が、早稲田大学大学院理工学研究科博士課程時代に、早稲田大学永田勝也研究室の研究成果を社会に還元することを目的に最低資本金規制の特例を活用して設立。環境問題に関する事業者、企業や消費者、官公庁への情報提供、いわゆる“第三者評価機関”として、環境省などとの調査ビジネスを展開している。

ONODA  LABORATORY HP


国際的なリサイクルの枠組みを

村上進亮

東京大学 工学部 システム創成学科 環境・エネルギーシステムコース/工学系研究科 システム創成学専攻

【リサイクル】資源の採掘と、やむを得ず捨てるものの処理。資源循環においてはこの2つの行為は避けられない。マテリアルフロー・ストック分析、LCAといった産業エコロジーの手法を用い、これまであまり行われてこなかった環境負荷の定量的分析と評価を行う。特に現在は国際資源循環と呼ばれる、国際的なリサイクルのための枠組みについて研究している。

村上研究室(旧山冨・村上(岩石工学)研究室)


プラスチックのリサイクル

グラウゼ ギド

東北大学 環境科学研究科 先進社会環境学専攻

 

【リサイクル】吉岡敏明研究室のドイツ人研究者。ポリ塩化ビニルのリサイクル研究等で、非常にまじめに手堅い仕事をするという評判だ。

グラウゼ ギド先生所属の吉岡研究室 HP


モデル分析から循環型社会をデザインする

平井康宏

京都大学 工学部 地球工学科 環境工学コース/工学研究科 都市環境工学専攻/環境科学センター

【3R&LCA】循環型社会や廃棄物管理を対象としたライフサイクル分析や物質フロー分析を得意とする。残留性化学物質の環境動態モデル分析もこなすスマートな研究者。

平井先生所属の酒井研究室 HP


環境経済学のパイオニア

植田和弘

京都大学 経済学部 経済経営学科/経済学研究科 経済学専攻

【環境経済学】京都大工学部時代にイタイイタイ病の現地調査に参加したことから環境問題に関心を持ち、末石冨太郎先生(現大阪大学名誉教授、滋賀県立大学名誉教授)のいた大阪大大学院に進学。工学技術を環境保全に活かすためには、社会経済システムの整備こそ必要であることを痛感して経済学を学び直し、自ら環境経済学の分野を拓く。ゴミ問題は個別の発生源よりも社会システムそのものに原因があるとして、処理よりも制御を重視した財政を主張。原発問題と地球環境問題を視野に入れた『緑のエネルギー原論』は有名。抜群のマネジメント力で、歴史の浅いこの領域を環境問題研究の中心分野に育て上げた。工学と経済学の2つの博士号を持つ。

植田和弘研究室 HP


高月紘

京エコロジーセンター 館長、京都大学名誉教授

【ライフスタイル】直接人の役に立つ研究をしたい、と入学した京都大衛生工学科在学中は、ゴミをいかにきれいに焼却処理するかを研究。その後、大型焼却炉で処理現場を体験する中でゴミの発生源研究の重要さを知り、環境問題解決のための市民運動に取り組むことに。リベラルな姿勢で行政・市民団体の両方からの信頼が厚い。環境問題の啓蒙に熱心で、大学内に有害廃棄物の処理施設を設けて、学生に実際の処理を体験させた。ハイムーンのペンネームで描く印税なしの環境漫画も好評。


永田勝也

早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科/創造理工学研究科 総合機械工学専攻

【LCA、中間処理】国の様々なリサイクル法のまとめ役を務めるキーパーソン。説得がうまく国からも経済界からも信望が厚い一方で、一般の人にもわかりやすい「環境にやさしい生活」の指標作りに取り組む。多忙なスケジュールをぬって学生たちと取り組んでいるのがソーラーカーの開発。ともすれば負の面が強調されがちな環境工学にあって、技術者は将来に夢を持って環境問題に取り組むべきという柔軟さが魅力。

NAGATA  LABORATORY HP


田中勝

鳥取環境大学 環境情報学部 環境マネジメント学科/環境情報学研究科 環境情報学攻/サステイナビリティ研究所

【すべて】旧厚生省のブレーンとして、処理技術、廃棄物問題から処理システム管理やダイオキシン問題まで、国内外のあらゆるゴミ問題に通じる。

サステイナビリティ研究所 自然資源エネルギー研究室 HP


郡嶌孝

同志社大学 経済学部 経済学科/経済学研究科 応用経済学専攻

【環境経済、住民参加】高校時代にR.カーソンの『沈黙の春』に感動したのが研究を始めるきっかけ。京都「空き缶条例」の制定やグリーン調達(環境に配慮した製品を多く買う運動)等、環境問題へのライフスタイルアプローチの提言を精力的に続ける一方で、現在のリサイクル経済の限界も指摘。冷徹な経済学者の一面も持つ。弁舌さわやかな語り口で住民運動の信頼も厚い。学生の評は「ライオンのよう」。ゼミで学生を谷底に突き落とし、這い上ってきたら親身の指導をしてくれるからだそうだ。

経済学部 郡嶌孝先生紹介ページ

 

松藤康司

福岡大学 工学部 社会デザイン工学科/工学研究科 資源循環・環境工学専攻

【処分地問題】薬学を学んでいた時、先生に誘われてゴミ研究に転向。介護ビジネスから出る使用済み紙オムツから配合剤を作り、オムツの原料になる綿花とハーブを栽培する技術を開発し、実用化を進めている。

水理衛生工学実験室 HP


中村愼一郎

早稲田大学 政治経済学部 経済学科/経済学研究科 経済学専攻

【産業連関分析】環境経済学が生態系まで視野に入れるのに対して、問題を廃棄物に特化した「廃棄物経済学」の新領域を開く。国全体のもののやり取りをお金のつながりで表わす産業連関表に、廃棄物を入れた独自のバージョンを開発。

Shinichiro NAKAMURA HP


循環型社会工学/リサイクル工学/ゴミ問題

循環型社会工学/リサイクル工学/ゴミ問題が学べる大学