環境・バイオの最前線

循環型社会工学/リサイクル工学/ゴミ問題

学問ことば解説

循環型社会形成推進基本法:どんな法制度を作るか

 

日本の本格的な循環型社会への一歩となる循環型社会形成推進基本法(2000年制定)は、そのモデルとなったドイツの法律が実効性を持つ(懲罰を含む)のに対し、基本法という性格上、個別法を拘束できる力がない。その背景には、法案作りに参加した政党の中で意見が分かれ、より緩やかな自民党案が採用されたことがある。容器包装リサイクル法では、法の施行後にかえって廃棄物量が増えるという矛盾が生じており、それについてはドイツをはじめとするヨーロッパと比較するなど、法制度の研究が始まっている。

 

 

市民運動、合意形成/行政:話せばわか! エコロジー

 

山形県長井市では、住民の生ゴミを処理場でまとめて堆肥(コンポスト)化し、地元の農作物栽培で利用している。これには行政のみならず、有機農業推進活動という市民運動および、それによる市民の合意がなされたことが背景にあった。また、東京都東村山市では、最終処理場建設への反対運動をきっかけに、ゴミの90%の再資源化を目標として、市民参加型のリサイクル運動を広げようとしている。循環型社会形成のためには、少なからず市民参加が必要となる。市民の合意をどのように形成するかに関しては、衛生工学の分野でゴミ処理場建設に対する反対運動の説得のために、北海道大を中心に研究されてきたが、最近は行政学でもこの問題に取り組むようになっている。

 

 

有害廃棄物の処理・管理:今なお脅かす高度経済成長の負の遺産

 

水俣病の有機メチル水銀、四日市ぜん息の窒素酸化物等、農作物や魚介類を通して人体に入り、公害病を引き起こした有害化学物質は、使用禁止や適正処理がなされるようになり、その処理技術の研究は、衛生工学や化学工学で完成している。しかし、制御不能なダイオキシン、環境ホルモンなど、まだ数多くが存在している。日本では30年前に使用禁止になったPCBが北極のアザラシから検出されたり、かつての製造会社が責任を持って管理するはずの物質が紛失する事件が起こったり。そのため、今なお有害物質処理・管理の問題は循環型社会工学の1つの領域を形成している。

 

LCA:これからは“エコ度”の高い製品がおしゃれ!

 

生産過程でゼロエミッションが実現しても、製品となって消費者の手に渡って利用されれば環境への負荷がかかり、当然最終的には廃棄される。例えば自動車ならば、どれだけCO2を排出するか、廃棄時にリサイクルできるか、どれだけ長い間乗られるかを通して、環境への負荷を予測できる。このような製品の一生にわたっての環境の評価をライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)という。このLCAの考え方は、機械・材料・建築、および文系学問の経済学で重要な概念になろうとしている。

 

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