植物バイオテクノロジー/植物分子細胞育種学

佐藤先生研究インタビュー

京都大学 農学部 応用生命科学科


◆先生の研究分野である、「植物バイオテクノロジー/植物分子細胞育種学」はどのような分野でしょうか。

生物の仕組み(機能)を理解し、応用するという「応用生命科学」領域の中で、植物の機能、特に、生産性に影響する光合成機能や、病気や不良環境に耐えられる仕組み、あるいは、フラボノイドのような機能性成分や味、貯蔵性など品質に関わる遺伝子の働きを明らかにするとともに、それを植物体、あるいは、細胞レベルで応用につなげようとする分野です。なお、関連する分野は、農学部の他の学科、例えば、農学科や、理学部の植物学教室のように散在しますので、進路選択に当っては、どのような関連領域に興味があるかも重要になります。

◆発展させようとしているご研究(とその方向性)は、どのようなものでしょうか。

植物は分化全能性を持っていますが、それがどのように制御されているのかは、実は、まだ良くわかっていません。また、植物ごとにその能力に違いがあります。これらの仕組みを理解することは、植物の育種を進める上で、不可欠です。また、細胞レベルで、個体における機能発現を制御することにより、より効率的な物質生産も可能だと考えています。

◆先生が指導されている学生の研究テーマ・卒論テーマ、大学院生の研究テーマを教えてください。
 

・有用二次代謝産物生合成系の解明、特に、イソキノリンアルカロイド生合成系の解明
・微生物における植物有用二次代謝産物生合成系の再構築
・有用二次代謝生合成系を制御する発現制御機構の解明
・ゲノム編集技術を用いた植物遺伝子の制御
・植物細胞からの個体再生の分子機構解明
など

◆先生のゼミや研究室の卒業生は、どんな就職先で、どんな仕事をされていますか。

化学系・食品系企業、あるいは、国公立大学、研究所で研究、あるいは開発に携わることが多いですが、必ずしも、植物を対象に行っているわけではありません。生命科学全般、あるいは、生化学/天然物化学における学修が役に立っているとおもいます。それ以外に製薬系でのMR(医薬情報担当者)や知財担当などで活躍しています。

◆先生は研究テーマをどのように見つけたのかを教えてください。

試験管の中で、植物細胞から個体ができるということがまだ目新しい時代でした。面白そうだなというのがきっかけです。最初に与えられたテーマは、細胞融合というテーマで培養が大きな課題でした。その後、培養した細胞に光合成をさせる、あるいは、有用物質を作るということを研究しました。お手本がないので、とにかく、いろいろと試行錯誤した記憶があります。ほとんどが失敗で、光合成できる細胞やアルカロイドを得る細胞が得られたのは、幸運だと思います。ただむやみに実験するのではなく、いろいろと試行錯誤し、かつ、良く観察することが成功の鍵であったと思います。また、ほったらかしにしておいたものから、偶然、良いものが得られることもあり、セレンディピティーをいかに見逃さないかということが重要になると思います。


◆この分野に関心を持った高校生が研究室を訪問する機会はありますか。

入試説明会(http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/j/?page_id=279)や、オープンキャンパス、アカデミックデーなど、研究室を訪問する機会があります。
それ以外に、個別訪問もうけつけます。事前に、予習をしてから、メール(fsato@lif.kyoto-u.ac.jp)で連絡してください。

 

佐藤先生の研究室HP

京都大学大学院 生命科学研究科 統合生命科学専攻 全能性統御機構学分野
研究室のHP

 http://www.callus.lif.kyoto-u.ac.jp/
画像による研究紹介

 http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/j/?post_type=labos&p=154


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