ユビキタスコンピューティング、行動認識<情報学>

「スマホ便利だな」「ゲーム楽しいな」ではなく、作る側の視点で考えよう

荒川豊先生 インタビュー

奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

◆先生の専門分野である、「ユビキタスコンピューティング」はどのような分野ですか。

 

センサ・デバイス・ネットワークが連携し、センサから取り込まれる実世界データを処理・集約・解析することで、高度なサービスを効率良くユーザに提供するための一連の研究をユビキタスコンピューティングと言います。実際の研究はより細かい研究となり、行動認識という領域では、センサを使って人の行動を判定する研究が行われています。例えば、最近のスマホや腕時計は歩数をカウントできますが、加速度の動きから正確な歩数を算出するアルゴリズムも過去の過去の研究者の研究成果の一つです。

 

◆先生が、発展させようとしている研究やその方向性は、どのようなものですか。

 

人間と情報技術の調和です。今後、少子高齢化が進むと、そもそも今のレベルの社会を維持することが難しくなります。経済破綻する国が出てきていますが、日本もどうなるかはわかりません。しかし、人は今の便利な社会から後戻りすることができませんので、人工知能を含めて、最先端の技術によって補っていくしかないのです。逆に言うと、コンピュータにできる仕事は今後なくなります。コンピュータが得意なところはコンピュータに任せ、人間は人間しかできないことに注力するという社会に向け、どのように両者のバランスや融合を図っていくかが重要になります。

 

◆先生は研究テーマをどのように見つけたのでしょうか。研究の発想はどのように生まれてくるのでしょうか。

 

私は、小学校から工作が大好きで、電子工作も多数やり、何かを考えて作るのが好きでした。基本的には自分に生活の中で、こんなのあったら便利だなとか、これ不便だなを考えていて、メモをしています。また、仕組みを知ることへの興味も大切です。ポケモンGoってどうやって作るんだろうか、自動運転ってどうやって実現するんだろうかなど、今の時代は調べればネットで学習できる時代です。スマホ便利だな、ゲーム楽しいな、ではなく、自分が作る側の視点で考えるようにすることが大切です。

 

◆この分野に関心を持った高校生に、アドバイスをいただけますか。

 

研究の前に、まずは何か作ってみましょう。そこから課題がわかります。私の分野ではスマホをセンサとして使いますので、スマホアプリを1つ作ればいろいろと研究の題材が生まれると思います。しかし、スマホアプリは、中学生でも作る時代ですから、高校生であれば、自宅で簡単にできます。厳しく言うと、それを自分でしないで、先生に頼っても無駄だと思います。本当に興味があれば調べられますし、調べれば作れます。しかも無料です。情報分野は、今やそういう分野なのです。もちろん、ara@is.naist.jpにメールをくださればいつでも対応します。

 

 

◆研究室では、どのような指導をされていますか。

 

・テーマは押し付けではなく、学生主体で考えて、自身がやりたいことをします。

・楽しく元気に斬新なアイデアを一緒に考えていきます

・国内学会はもちろん、卒業までに国際学会に行けるように進めています。

・企業との連携も数多く実施することで、実際の問題に触れるようにしています。

・企業との打ち合わせなどにも参加させることでコミュニケーションスキルを磨いています。

・なお、ゼミでの使用言語はすべて英語です。できない学生も多いですが、普段から使うことが重要ですので、教員がフォローしながら英語で説明してもらいます。

 

<荒川先生の研究室はこちら>

ユビキタスコンピューティングシステム研究室

http://ubi-lab.naist.jp/

 

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ドラえもんの道具は、まさにユビキタス社会と関連するものが多いです。そういった道具を現代技術でどうやって作るのかを考えることが重要です。

 

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