情報検索<情報学>

BUMP OF CHICKEN×いきものがかり÷2=? ~情報検索は思いやりの精神で

加藤誠先生 京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻

日々、情報検索のお世話にならない人は、おそらくいないでしょう。辞書との大きな違いは、検索したい人の意図を汲み取って探し出す「思いやり」の機能です。調べたい用語をズバリ思い出せなくても、「○○のようなもの」というよく似た意味の言葉でさえ、検索してくれます。しかもその機能は日々、進化しています。アナロジー検索の第一人者、加藤誠先生が開発した最先端技術を2つ紹介しましょう。

みなさんお馴染みの情報検索と、私の開発した2つの技術の話をしたいと思います。情報検索研究の難しい点は何でしょう? それはみなさんの頭の中にある、なかなか言語化しにくいことを、検索エンジンのほうで頑張って、検索したい人の意図を汲み取ることでしょう。つまり情報検索とは“思いやり”の研究と私は考えています。

思いやりの例を挙げてみましょう。「夫を」と打つと、「夫を英語で」「夫を殺したい」と出てきました(笑い)。

このように文字を打つ手間を省いてくれるということのほかに、打つキーワードをちょっと間違ってしまった時、さりげなく修正してくれる情報検索も出てきています。でも、まだまだ思いやりは足らないと思います。

 

例えば、○○みたいな音楽聞きたいな、と思っても検索エンジンは理解してくれません。そこで、私は「○と△を足して2で割ったたようなミュージシャンを探したい」といったことに応える混合検索を開発しました。

 

どうやって動かしているかと言うと、ウィキペディアなどの情報で関係性を見たり、アマゾンなどのレビュー情報などを分析したりして類推します。

ちょっとやってみましょう。

 

2つの検索ボックスのうち、左側にXジャパンを、右側に宇多田ヒカルを入れると、椎名林檎が出てきました(笑い)。

山崎まさよしとスガシカオを足して2で割ると、元ちとせが出てきました。これには2人とも「福耳」というユニットに参加していたという共通点があります。赤いきつね×緑のたぬきは? 武田鉄矢が出てきました(笑い)。

私の開発した2つめの思いやり検索は、「地元のあの店はどこ?」検索というものです。例えば、自分がよく知る地域のあんな店が、別の地域にあったらいいなあと思ったとき使う検索エンジンです。画面の左側に自分がよく知っているところ、右側に検索したい地域の地図が表示されます。左側で店をクリックすると、右側で自分がよく知っている店と同じ位置づけの店を別の地域で検索してくれるわけです。

実際に神戸に行くとき、使ってみました。左側で京都のおばんざいの店を入力すると、神戸なら「ぼっかけ」のお店が出てきました。どちらもその地域の庶民的な料理で共通するんですね。湯豆腐の店を入れてみると、神戸牛の店が出てきた。位置付けが似ているんですね。

どうです、思いやりある検索するシステムでしょう。

 

 

司会者・落合陽一先生×竹川佳成先生の一言 

 

落合先生――検索システムは、人間らしさが出てきちゃいますね。

竹川先生――ねえpepper君もそういう類推ができたりする?

Pepper――考えるので2時間ください。

竹川先生――え、えー、講演終わっちゃうよ(笑い)。

Pepper――シャットダウンします。

落合先生――2時間って答えるあたり、さすがPepper君、だいぶ人間らしいですね。

 

興味がわいたら

NHKスペシャル『“グーグル革命の衝撃”あなたの人生を検索が変える』

今となっては古い内容ですが、グーグルの検索が与えた影響が、負の側面も併せて、わかりやすく紹介されています。検索の結果が今どれほど重要視されているのかがわかると思います。(DVD化されています。)

 

加藤先生インタビュー

人間観察からも情報検索の新しい研究は始まる

加藤誠先生 京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻

 

※情報処理学会第78回大会 IPSJ-ONE講演より

<慶應義塾大学日吉キャンパス協生館藤原洋記念ホールにて>

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⇒先生のプレゼンが見られます(IPSJ-ONEのページへ)

http://ipsj-one.org/2016/videos/8_mkato_fs.mp4

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