エンタテインメント情報学

火星の表面から顔検出技術で? 3Dプリンタでテトリス? ~想定外のエンタティンメントを『発掘』し人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究IT研究

栗原一貴先生 津田塾大学 学芸学部 情報科学科

津田塾大学情報科学科でリケジョを育てる栗原先生は、物議を醸すエンタテイメント・システムの開発が大好きです。「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディー、イグノーベル賞を受賞した作品をはじめ、月面から人面(宇宙人の顔?)を探索したり、想定外のエンタテイメントを発掘する。ただの才能の無駄遣いか、はたまた…?魅力満載の爆笑クリハラワールドをお楽しみください。

「想定外のエンタティンメントを『発掘』する」話をします。私は津田塾大でリケ女を養成していますが、私自身は、物議をかもすエンタテイメント・システムの開発が好きです。

 

例えば「おしゃべりな人をジャマする銃」という作品で、イグノーベル賞を受賞しました。

人の目を見ることができないシャイな人のための「見た人の顔すべてにモザイクをかけるメガネ」を作っています。

※こちらには動画がありますhttp://sakihagiwara.wixsite.com/profile/resume

あるいはまた、「忙しい人のための極限的高速鑑賞システム」や…

動物を振り向かせるカメラなどなど…。

 

※こちらには動画があります

AnimalCatcher: 動物の多彩な行動を引き出すデジタルカメラ

http://mobiquitous.com/animalcatcher.html

さて、今日は、エンタテイメントは創るだけじゃなく、発掘することもできるんだよとお伝えしようと思います。2つのシステムを紹介します。1つ目は、天体の地表の形状からエンタテイメントの発掘です。40年前、火星の探査船が火星の表面に、人の顔のようなものを発見し物議をかもしたことがありました。SFオカルト好きの人が、火星人の陰謀だと、様々な憶測を呼びました。

 

そこで私はNASAサイトから高解像度画像を収集し、顔検出技術を使い、月の南極に宇宙人の顔を発見しました(笑い)。


さらにあろうことか、火星にあのネズミのシルエットを発見しました(笑い)。

このようなものは宇宙にはありふれていて、コンピュータで自動的に探せるはずと私は思うんです。人はなんでオカルトにはまるのか? そんなに安易にオカルトに走ってはいけないよということが、やや暴力的に証明できたんじゃないかなと思います(笑い)。

 

同じような技術で、ハート形島とかも探せる。グーグルマップで探してみますと、ハート型の地形って見つかったりする。こっちは観光資源になるかも。

 

2つ目の発掘は、テトリス3Dモデラー。3次元プリンタが買える値段になってきましたが、でも実際に作ろうと思ったらモデリング(3次元のグラフィックデザイン)しないといけない。これはちょっと無理だなあと。そこで、モデリングの知識が一切なくても、3Dテトリスをプレイするだけで、3Dプリンタモデルを作る「テトリス3Dモデラー」を作りました。

テトリス3Dモデラー

※こちらには動画があります。

https://sites.google.com/site/qurihara/home/t3dm

 

まず3Dテトリスで遊んだあと、保存ボタンを押すと、ファイル化されます。こいつを3Dプリンタ用印刷ソフトで“印刷”します。役に立たないものもできたりしますが、がんばると、ペン立てやコースターなどけっこう面白い立体造形ができました。


みなさんも、撮りすぎた写真や遊び飽きたゲームから、新しい楽しみを発見しませんか。

 

司会者・落合陽一先生×竹川佳成先生の一言

 

竹川先生――面白いプレゼンでしたねえ。

落合先生――あの3Dテトリス、いい味出しているなあ、あっちのほうが売れるんじゃないかと思った。

竹川先生――才能の無駄遣いしているっていうか、最高ですよねえ(笑い)。

落合先生――重要なのは、一見無駄そうに見えるかもしれないけど、あの3次テトリスから造形したペン立てとかコースターの材質感。テクスチャーって重要なので、何かと何かから別のなにかのカタチを作る。ああいうのってすごく面白いと思う。 

 

興味がわいたら

栗原先生の新刊

『消極性デザイン宣言 消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。』

消極性研究会、小野ほりでい:イラスト(ビー・エヌ・エヌ新社)

古来より、内気さや消極性というのは否定的な意味合いで捉えられ、社会から忌避されたり訓練による解消を促されたりしてきました。しかしインターネットが発展した今、現代人はいついかなる時、どんな対象においても積極的であることはもはや難しくなってきて

います。あなたも気乗りのしない会合参加や、疲れている時に端末に届くメッセージへの対応に辟易することはありませんか。我々は消極性を「改善すべきスキル」ではなく、誰もが抱えていて表れたり消えたりするものと捉え、積極性や消極性に左右されずに多様な人々が共存できる社会を目指しています。本書はその啓蒙書です。

[出版社のサイトへ]

※情報処理学会第78回大会 IPSJ-ONE講演より

<慶應義塾大学日吉キャンパス協生館藤原洋記念ホールにて>

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⇒先生のプレゼンが見られます(IPSJ-ONEのページへ)

http://ipsj-one.org/2016/videos/25_kurihara_fs.mp4

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