コンピュータグラフィックス

趣味のぬいぐるみづくりが研究テーマにつながった!

五十嵐悠紀先生インタビュー

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科

◆先生の研究分野である「コンピュータグラフィックス」を簡単にご説明ください。

 

コンピュータグラフィックスは、映画やテレビアニメ、ドラマ、ゲームなどでもよく使われている身近な技術の1つです。中でも、今のはやりは、3Dプリンタの普及により、個人レベルでモノづくりをするためにコンピュータグラフィックスを利用した技術が多くの研究者によって生み出されています。

 

◆先生の研究はどのような成果になっていくのでしょうか。

 

手芸や工作に着目して、これまで初心者では設計ができなかった「ぬいぐるみ」や「ビーズ」といった手芸作品をコンピュータグラフィックス技術を使うことで、子どもでも簡単にデザインできるようになるための支援システムを研究、開発しています。

 

ファブリケーションブームも到来し、個人が楽しむモノづくりが増えており、また、子どもたちの創造性を育むためにもコンピュータを使った教育やデザインをするといった行為に関する教育は、今後ますます発展していくと思われます。

 

◆先生は研究テーマをどのように見つけたのかを教えてください。

 

初めて読んだ国際会議の論文が、筑波大学の三谷純先生のペーパークラフトの論文でした。この図1を見た時に、ペーパークラフトの型紙がぬいぐるみの型紙に見えました。というのも、私の趣味がぬいぐるみづくりや裁縫だったからです。父が自動車会社のCADシステムの設計に携わっており、プログラミングをいつもしていました。母は裁縫が得意でいつも洋裁をしていました。そういうことも影響しているのかもしれません。私はコンピュータで、ぬいぐるみを設計することを修士課程での研究テーマとして行い、その手芸の試行錯誤に隠された、数学的な面白さなどを魅力に感じ、様々な手芸を対象に研究することにしました。

 

◆この分野に関心を持った高校生にアドバイスをいただけますか。

 

数学や物理、英語といった学問も大事ですが、自分の趣味(音楽や料理、スポーツなど)も楽しみながら、何をどのように工夫したら便利になるか、より学びやすくなるか、スマホやコンピュータ、ウェアラブルコンピュータなどでどのように支援することができるか、など考えてみると面白いと思います。

 

◆先生は高校時代に、何に熱中していましたか。

 

部活動(バンド活動)に熱中していました。ピアノも習っていて、コンクールに出たりしていました。音楽で表現するといったことを楽しんでいたと思います。

 

◆先生の研究室の卒業生は、どのようなどのような仕事をされていますか。

 

IT企業で、システムエンジニアなど。まだ1期生の卒業生が出たばかりで、新人なので研修中のようです。

 

◆研究室では、どのような指導をされていますか。

 

自分でテーマを探してきて取り組んでもらいます。どうしても思いつかないときには、アドバイスはしていますが、自分が興味あるテーマをみつけることで、取り組む真剣さも違い、研究が楽しくなると思います。遊びも研究も一生懸命に取り組んでもらっています。

  

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『Computer Graphics Gems 2015』

山本醍田、鈴木健太郎、小口 貴弘、德吉雄介、白鳥貴亮、向井智彦、五十嵐悠紀、岡部誠ほか

(株式会社ボーンデジタル)

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『コンピュータグラフィックス』

(CG-ARTS)

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様々な未来道具が出てきて、それが実は実現できているものや、実現に近いものなどでてきていて楽しめると思います。3DCG映画の『STAND BY ME ドラえもん』もどんなCG技術が使われているかに注目しながら見てみるとまた違った視点で楽しめると思います。

 

『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55』

五十嵐悠紀(河出書房新社)

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