中卒のカリスマの「ネガポジ就活術」

~貧困、50回の転職を乗り越え、若者の就職支援NPOを設立

 

黒沢一樹さん NPO法人若者就職支援協会 理事長

第4回 「やりたくないこと」から、「やりたいこと」をみつける ~NPO起業はボランティア精神だけではだめ

 

社会起業をしたいと思っている高校生のみなさんに伝えたいことがあります。単純に自己犠牲のボランティア精神だけでは、継続できないということです。社会のため、人のために役に立つことをしたいなど、いろいろな夢があるかもしれません。でも自分の幸せをまず大切にして欲しいと思います。それからもう一つ大事なことは、起業の基本的な方向性とベクトルだけきちっと決めておいて、それ以外のことはやっていくうちに、少々違う方向にぶれてもいい。ぶれることを恐れちゃいけないということですね。

 

その代わり、基本的な方向性だけはぶれてはいけない。私の場合、基本的な方向とは、貧困―低学歴―貧困コミュニティという負の連鎖に陥ってしまっている子を、なんとかしてあげたいという切実な思いです。その思いだけは変わりません。また、組織をちゃんと維持・継続していくための方法として、NPO法人若者就職支援協会を作った時、自分の大嫌いな人間をナンバー2にするというやり方をしました。自分の成長のためには、あえて嫌いな人に会いにいく。そして、時には仲間に引き入れる。意見を言ってくれる人やぶつかり合いができる人がいることが大事だと思う。彼は今では、私のベストパートナーです。

 

ネガポジ就活術を実践して学んだことですが、何か好きなことを諦めるというのは、実は最高のポジティブシンキングだと、いつもみんなに言っています。何か好きなことを求めてやっている時、実はそれはやらなくてもいいことなんじゃないか、と諦める。そういう中で、考え考え突き詰めると、やっぱり俺はこれだけはやりたかったんだという答えが出てくると思うんです。

 

私たちがやっている事業の一つ「キャリア教育」は、定時制高校の生徒を対象にしているんですが、彼らに授業の中で「この課題やってみたいと思う人はいますか?」と問うと、ほとんど誰も手を上げないんです。でも逆に「やってみたくない、嫌いな課題はありますか?」と問うと、あるんです。そういうふうに思考を裏返して、やりたくないこと、嫌いな人のことから考えてみることも、大事なんじゃないでしょうか。

 

おわり

 

興味がわいたら

『最悪から学ぶ 世渡りの強化書』

黒沢一樹(日本経済新聞社)

父親が4人、最悪の貧困、継父からの虐待に苦しんだ幼少期…。中卒でブラック企業、ホスト、調理師などの職を転々とした(転職50回! )少年から青年期…。さらには原因不明の病気や自殺未遂…。私の「最悪な」体験をもとに、「ネガティブ要素をポジティブに転化させる思考法」=「ネガポジ・メソッド」を考え出しました。私の生い立ちを紹介し、「ネガポジ」メソッドとは何か、前向きに生きるためにはどうすればいいかなどを、わかりやすく解説した一冊です。

・過去の自分とどうやって対峙すればいいのか?

・コンプレックスを活かすにはどうすればいいのか?

・失敗体験をプラスの経験へ変えるにはどんな方法があるのか?

といったことを考え、人生の選択肢を大きく広げるための観点が書かれています。

 

以下は、高校生に特に読んでほしい箇所です。

・最悪でなければ、それで幸せ  P34

・「かんちがいスイッチ」を押せ P35

・ビジョンに酔うな P72

・依存の話 P144

・普通は怖い言葉 P154

・「無関心ゾーン」にチャンスがある P163

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『ネガポジ就活術』

黒沢一樹(鉄人社)

就職に絞ることなく生きることの選択肢を広げるための書。「イヤ」なことから人生を思考することができるようになります。

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『非属の才能』

山田玲司(光文社新書)

群れなくても幸せに生きることのできる方法や、同調圧力に屈しないための方法論を教えてくれます。

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『ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所』

青砥恭(ちくま新書)

「高校中退」を語らずして貧困問題を語ることはできません。中退者を追跡調査した書で、日本の貧困の闇が事例を交えて書かれています。

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