ニューリーダーからの1冊

光情報工学が専門の粟辻安浩先生(京都工芸繊維大)がおススメ
『ホログラフィ入門 ―原理と実際―』
久保田敏弘(朝倉書店)
3次元ディスプレイとしてのホログラフィの基礎や応用について平易に書かれています。非常に印象的なホログラムが付いてきます。
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超高速!光の伝わる様子の3次元撮影に世界で初めて成功!
粟辻安浩先生 京都工芸繊維大学
<専門分野:光情報工学>
この世で最も速いとされている光の伝わる様子を3次元で捉えることができたら。高速で動くものを画像で捉えるのは難しいのに、こんな難題に、「ホログラム」技術を用いて挑戦、世界で初めて3次元の動画像記録に成功した。お札についているキラキラと光り物体の3次元画像を表示できる「ホログラム」は、様々な可能性を秘めている!
先生
粟辻安浩(あわつじやすひろ)
専門分野:光情報工学
京都工芸繊維大学 工芸科学部 電子システム工学課程
/電気電子工学系 教授
1968年東京都生まれ 大阪府立茨木高校出身
研究
物体の3次元形状のコンピュータ取り込み技術(3次元ビデオカメラ,3次元動画顕微鏡など)や3次元表示技術(3次元テレビ,3次元インターネットなど)を研究しています。また、高速度カメラでも撮影できないような超高速な現象の動画撮影技術の創成をめざしています。
私たちの研究グループは、お札などについている、キラキラと光る3次元画像「ホログラム」を利用する研究をしていました。このホログラムを同時に複数枚撮影することで、動く物体の3次元像が記録できると発案しました。その結果、世界最高速の100万コマの3次元動画像の取り込みに成功。また、ホログラムの記録に10兆分の1秒だけ光を発する超短パルスレーザーを用いると、この世で最も速いとされる光の伝播の3次元動画像が記録できるということを発案し、光の伝わる様子の3次元静止画や3次元動画像記録と観察に世界で初めて成功しました。

自ら最先端に立ち、新たなことを見出すクリエイティブなことは非常に難しく苦労が多いですが、その苦労を乗り越え、新しいアイデアを発案して世界で初めてのことを提唱したり、達成したときの喜びはひとしおです。
自然現象や製品製造時などの、速すぎて高速度カメラでさえ捉えられない超高速の現象を3次元動画で記録することで、その詳細を解明したり、新たな現象を発見したりして、新たな科学分野や産業技術を創成することに貢献したいと考えています。

この道に入ったきっかけ
「光」は電子技術や機械技術では実現できない、すばらしい性質をたくさん持っており、これらの性質を利用すると画期的な技術や装置を創成できると思ったことがきっかけです。
中学時代
バスケットボールに熱中していました。
おススメ
『サイエンスゼロ』NHK
最先端科学技術を平易に紹介してくれます。

先生の専門分野に触れる本

『ホログラフィ入門』
久保田敏弘(朝倉書店)
3次元ディスプレイとしてのホログラフィの基礎や応用について平易に書かれています。非常に印象的なホログラムが付いてきます。
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