ニューリーダーからの1冊

実験的宇宙論が専門の羽澄昌史先生(総合研究大学院大)がおススメ

 

『インフレーション宇宙論』

佐藤勝彦(講談社ブルーバックス)

最新宇宙論の入門として最適。

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来たれ高校生! ビッグバン以前の宇宙を観測するために人工衛星を打ち上げよう

羽澄昌史先生 総合研究大学院大学

<専門分野:素粒子物理実験、実験的宇宙論、高エネルギー物理学>

宇宙誕生の痕跡を示す、「宇宙マイクロ波背景放射」という宇宙最古の光に注目して研究。この壮大な研究の目的は「ビッグバン以前の宇宙を観測すること」だ。その観測のために、世界でも例を見ないほど小型かつ高性能の科学衛星の打ち上げを日本主導で行うことをもくろんでいる。夢は広がる。

 

 先生

羽澄昌史(はずみまさし)

専門分野:素粒子物理実験、実験的宇宙論、高エネルギー物理学

総合研究大学院大学 高エネルギー加速器科学研究科 素粒子原子核専攻/高エネルギー加速器研究機構 教授

1964年愛知県生まれ 愛知県立千種高校出身

 


 研究

物質と時空の根本法則をもとめて、実験・観測のアイデアを出し、プロジェクトを立ち上げ実行し、科学論文を書くという仕事をしています。現在の研究の課題は「ビッグバン以前の宇宙」を観測すること。そのために、宇宙マイクロ波背景放射という宇宙最古の光に着目しています。

 

宇宙マイクロ波背景放射の偏光度を精密に観測することによって、ビッグバン以前に起きたとされる宇宙の急激な加速膨張(インフレーションと呼ばれる)の痕跡を発見することが具体的な課題です。

 

現在は国際協力で地上から観測を行っていますが、将来は加速器実験で培った技術と日本が得意な小型化に関する技術を駆使して、世界でも例をみないほど小型かつ高性能な科学衛星を日本主導で打ち上げることを考えています。そのためのプロジェクトを作って研究をしています。約10年後の打ち上げを目指していますので、若い皆さんが将来たずさわり、活躍できるプロジェクトです。

 


この道に入ったきっかけ

高校時代に、湯川秀樹の「旅人」を読んだこと。物理学者になろうと思っていました。 

 


大学時代

ワンダーフォーゲル部で、日本の美しい自然を堪能。山スキーが好きです。 

 


趣味・休日は?

スペイン語やジャズ(上原ひろみさんのファン)が趣味。たまの休日は、妻、娘とだらだら過ごします。

 


おすすめの本

『ペスト』

カミュ 宮崎嶺雄:訳(新潮文庫刊)

この本で、生き方を学びました。

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『どくとるマンボウ青春記』

北杜夫(新潮文庫刊)

「あこがれを知る者のみ、我が悩みを知らめ」がモットーの高校生活。現代の高校生活にもきっと通じるはず。

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先生の専門分野に触れる本

『インフレーション宇宙論』

佐藤勝彦(講談社ブルーバックス)

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