トビタテ生のヤリタイコト日記 フィリピン+インド留学に向けて
~こんな本が僕たちの背中を押してくれた
下山明彦くん(東京大学文科I類2年)
第1回 「勇ましい、高尚なる生涯こそが後世への最大遺物である」~内村鑑三の言葉に後押しされて、留学を決意

はじめまして。東京大学文科I類2年の下山明彦です。これから1年間、みらいぶプラスでトビタテ留学JAPANの4期生としてトビタテ生の活動について連載記事を書かせていただきます!
トビタテ留学JAPAN(※)は、文部科学省が様々な企業の協力を得て行っている、高校生や大学生を海外へ送り出すプロジェクトです。審査を通過すると、奨学金をはじめとして、手厚いサポートを受けることができます。次回以降の記事でトビタテの魅力について、より詳しく書かせていただく予定です。
※http://www.tobitate.mext.go.jp/
それでは、第一回の記事は、自らの所信表明も兼ねて休学に至ったきっかけになった本を紹介します。
楽しい楽しい大学生活。授業に行く自由も行かない自由も、サークルに入る自由もバイトをする自由も。いろんな自由に囲まれた生活は、思ったよりも早く終わる。高校時代に夢見てきたことは半分ぐらい実現できて、半分ぐらいは諦めた。そしていつの間にか年が明けて、1年生はもう終わり。
こんなにやりたいことがたくさんあるのに、こんなに楽しい時間なのに、決断しないといけないことは山積みで、時計の針は早く刻む。

そんな漠然とした焦りや不安を重ね、自分は人生を通して世界に何を遺せるんだろう、そんな疑問も自分の頭をもたげはじめた中で出会ったのが内村鑑三の『後世への最大遺物』でした。内村鑑三は、明治時代の思想家です。足尾銅山鉱毒反対運動にかかわり、日露戦争においては非戦論を主張するなど積極的に自身の意見を世に発信しながら、日本人の精神とはなにかを追求し続けた人物です。そしてこの本では、人はどう生きるべきか、何を後世に遺すことができるのかについて書かれています。
「勇ましい、高尚なる生涯こそが後世への最大遺物である」という内村鑑三の言葉によって締めくくられるこの本を、今の自分が理解しきれたとは言いません。しかしながら、ゆっくりと、それでいてしっかりと背中を押してくれた。そしてこれからも道に迷ったときに手に取ろうと確かに思える一冊です。

この本に背中を押してもらった休学への思いは、自分のヤリタイコトと繋がり、トビタテ留学JAPANから4期生としての合格通知が届き、フィリピンとインドで7ヶ月を過ごすことが確定。休学届ももう提出してきました。
空白の1年をどう彩るかは全て自分に委ねられていて、その責任は全て一人で向き合わないといけない。そんな厳しくも、ワクワクするような生活が、新興国での7ヶ月が、自分に新たな光を射してくれることを信じて。
次回以降の連載で、自分のヤリタイコトってなんなのか。トビタテ留学JAPANを応募するにあたってどのような準備をしたのか、留学中に実際どのような活動を行うのか、他のトビタテ生はどのような活動を行っているのかなどについて書いていこうと思います。

『後世への最大遺物』内村鑑三(岩波文庫)[出版社のサイトへ]