この仕事をするならこんな学問が必要だ<建設業界編>

日本のインフラや快適な空間づくりを支える技術開発~地震対策技術や環境技術、施工ロボット

大成建設株式会社

技術センター 建築技術研究所 防災研究室 欄木龍大さん

 

第3回 建設業では、土木構造、建築構造の学問は必須

それでは、建設業の仕事の流れを紹介しましょう。主な仕事の流れは以下のとおりです。

 

調査・企画・計画―研究開発―設計―施工―維持管理

 

開発した技術が実際に適用されるまでには、お客様の要求や問題点を探り、解決策を提案する必要があります。そのために、調査し、企画や計画を立案します。また、必要な技術や組み合わせを検討し、実験や解析を積み重ね、実際に適用できるまで開発を進めます。その後、得られた研究開発成果に基づき、設計や施工を行い、最後には出来上がった建築物の維持管理を実施し、そのデータなどから、次に段階に向けた技術開発に展開するというような過程を繰り返すことになります。

 

私の所属する技術センターの役割は、主に技術を研究・開発をする部署で、自分の専門分野として建物の免震・制震技術の開発を進めています。また、解決が難しい技術的な課題について現場から相談を受け、最新の専門情報の提供や新しい技術を開発し、提供するという役割も担っています。

 

ところで、建設会社に将来入りたいと考えている皆さんは、何を勉強しておけばよいでしょうか。必要な学問分野は、主に土木工学、建築工学となりますが、その他の関連分野も一通り学ぶ必要はあります。特に重要なのは、いわゆるストラクチャー・エンジニアである土木構造、建築構造の分野でしょう。その他の分野で必要なのは材料分野で、コンクリートや鉄、樹脂などの素材の知識などが求められます。また、津波、洪水など水に関連した水理学、鉄道・道路建設あるいは都市開発などに係る、都市計画も必要です。ほかに、建物の配管や空調、上下水道なども扱うため、設備工学、空調学、衛生工学なども学ぶ必要があります。

 

建築関係の仕事と言うと、皆さんは、建築物の意匠・デザインを希望するケースが多いように感じます。しかし、基本は、構造がどのようになっているかを理解したうえで、設計を行うことが最も大事ですし、より本質的と考えます。ですからデザインしたい人でもしっかり構造設計の勉強をしていただきたい。せっかくの素晴らしいデザインが、構造的な問題で実現できないのは大変もったいないと思います。

 

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