この仕事をするならこんな学問が必要だ<半導体業界編>

今井先生インタビュー

今井元先生 元富士通/元日本女子大学 理学部 数物科学科

電子情報通信学会での学生の発表で富山大学へ
電子情報通信学会での学生の発表で富山大学へ

◇先生のご研究を教えてください。

 

半導体レーザーの高性能化として、量子効果を取り入れた構造の研究をしています。量子効果は物理分野の最先端の分野です。量子効果は半導体レーザーを始め、LSIなど半導体デバイスを研究する上で不可欠で、数学的な解析、実験による実証などを伴います。現実には3次元問題ですが、できるだけ分かりやすい1次元での解析を用い、それでさらに深めるために3次元化を進めていくものです。これらの研究は、インターネット社会の情報伝送で動画が自由に送れることなどや、LSIでは微細構造化に貢献できます。

 

◇その研究テーマをどのように見つけたのかを教えてください。

 

現状のその分野の不明な点、または日常生活での不満足なことを整理して、それを乗り越えるにはどういうことができたら良いかを整理しておく。限界があると言われたときにそれを乗り越えることを考えます。

 

◇先生が指導されている学生の研究テーマ・卒論テーマ、大学院生の研究テーマを教えてください。

 

・量子構造の光発光スペクトルの解析と偏波依存性の改善

・有機半導体を用いた太陽電池への応用

・植物のクロロフィルの形成の環境要件依存性

 

学園祭での学生の研究発表の様子
学園祭での学生の研究発表の様子

◇先生の研究室の卒業生は、どんな仕事をされていますか。

 

企業の研究所の研究者、開発技術者として活躍している卒業生を見ると、直接卒論などの研究テーマが合致しないときでも、研究開発の進め方(計画の立案、実行、検証など)に卒論で苦しんだことが活かされ、グループ全体の発展に役立っているようです。

 

◇高校時代は、何に熱中していましたか。

 

2年生の秋から3年生の夏まで生徒会活動をしました。学校側と何かと相談したことが思い出されます。スポーツが好きで、時間があればソフトボールを仲間で楽しんでいました。また、映画もよく見ました。『風とともに去りぬ』、『ウエストサイド物語』、『ハムレット』などが印象的でした。読んだ本は『戦争と平和』(トルストイ)、『大地』(パール・バック)、その年の直木賞作家の本などです。

 

今井先生の記事を読む

興味がわいたら

『やさしい光技術』

財団法人光産業技術振興協会(オプトロニクス社)

光通信、光ディスク、ディスプレイ、光計測、レーザー加工について、実験を用いてその技術を紹介する高校生向けDVD。私の担当は光の通信技術とレーザーが変える加工技術です。ちょっと古いですが原理の理解には十分です。光通信は今や日常に使われている技術です。それを構成する要素技術を、実験も含めて原理、使われ方を解説しています。レーザーを用いた加工技術については、その特長や、3次元加工技術、産業(医療分野も含めて)での使われ方を実例を示しながら解説しています。

 

とりわけ、光技術についてよく読んでほしいのは、光技術が日常で多くの場所に使われていること、光の応用は青色LEDだけでなく多方面で技術の集積であること、これらを支えてきた研究者に日本人が多いことなどです。今後もさらに発展する分野であり、ハード、ソフトの面から新しいアイデアをみなさんも参加して生みだして欲しいと思います。

[出版社のサイトへ] 

『中学・高校物理のほんとうの使い道』

京極一樹(実業之日本社)

自然界の種々の現象について物理の法則や、簡単な計算式を用いて紹介しています。よくある説明なしで法則の用語を伝えるのではなく、詳しく知ろうとする者にとって導入の書となります。寝ころびながらではなく机に向かって読んで理解してください。

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『YS-11世界を翔けた日本の翼』

中村浩美(祥伝社)

YS-11とは初の国産旅客機。飛行機を作ることが技術の総合力であることと、プロジェクト進める上でのリーダーの役割がわかります。

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『コズミックフロント』

NHKの科学番組。宇宙の最近の話題について、簡単な物理の法則を用いてダークマター、ダークエネルギーをわかりやすく説明しています。なぜ、宇宙を知ることが大切かがわかります。

 

『ロード・オブ・ザ・リング』(映画)

古典的な通信技術に注目しています。