この仕事をするならこんな学問が必要だ

<電気・電子業界/カーナビ・音響>

まさに、カーエレクトロニクス業界のパイオニア

ITやビッグデータ解析でフロンティアを切り拓く

パイオニア株式会社

人事部 採用グループ 片岡宏之さん

 

車の道案内をしてくれるカーナビ。この、カーナビの日本でのシェア1位を占めるのが、パイオニア株式会社です。そしてカーナビの高機能化、自動運転の研究開発と、カーエレクトロニクスの世界はダイナミックに進歩しています。その現状と、同社で活躍する人材について、人事部の片岡宏之さんにお話を伺いました。

第1回 カーエレクトロニクス機器の商品価値はソフトウェアによって決まる時代に

パイオニア株式会社は、1937年、創業者 松本望が国内初のHi-Fiダイナミックスピーカーの開発に成功し、1938年にパイオニアの前身である「福音商会電機製作所」を創業したことに始まります。

 

1961年にパイオニア株式会社に社名を変更し、以後、世界初のセパレートステレオやコンポーネントカーステレオの発売、1990年には世界初のGPSカーナビゲーションシステム発売など、社名の通り、音響映像機器のパイオニアとして、世界初の製品を次々と開発・発売してきました。

 

現在の主力製品は、カーナビゲーションシステム、カーオーディオシステムの、カーエレクトロニクスで、この2つが、全社の売上げの約7割を占めています。

 

情報系出身者が半数

 

新卒採用については、技術系の場合、新入社員の半数程度が、カーナビ、カーオーディオ等市場で販売する商品の設計開発に携わります。他に、自動運転分野の開発業務や、新規事業立ち上げのための研究開発部門にも配属があります。

 

出身学部学科では、最も多いのが情報系で、技術系の新卒採用者の約半数を占めます。続いて、電気・電子、機械系の学部学科卒業者です。以上で約9割を占め、残りがその他の学部学科となります。なお、創業以来得意としている音響技術の開発も継続的に行っており、音響工学を専攻してきた学生も採用しています。

 

エレクトロニクスメーカーというと、電気・電子、機械系の学部学科が採用の中心というイメージがあると思います。しかし現在は組み込まれているソフトウェア(ユーザーインターフェースなども含む)によって商品の価値が決まってくる時代になっており、モノ作りでも、ソフトウェアのプログラミングの工数が非常に多くなっています。製品を開発するには、多岐にわたる技術が必要ですが、その中でもソフトウェア開発の重要性はますます高まってきています。

 

興味がわいたら

『図解でウンチク カーナビの謎を解く』

青砥浩史(C&R研究所)

カーナビは人工衛星を使って位置を割り出している。では、トンネルの中など電波の届かない場所での位置把握はどうやっているのか。また、渋滞情報はどうやって調べているのか。カーナビを取り巻く技術を、イラストと文章でわかりやすく解説する。

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『位置情報ビッグデータ』

神武直彦、関治之、中島円、古橋大地、片岡義明(インプレスR&D)

人やモノの位置に関するデータを大量に集め解析できるようになった。本書ではこれを「位置情報ビッグデータ」と名付ける。ここには、新サービス創出の可能性が大いにあるという。位置情報サービスの要素技術から、注目のウェアラブルデバイスや未来型サービスの事例などを紹介する。

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『IoTで激変するクルマの未来』

桃田健史(洋泉社)

アップルやグーグルなどが注目する「コネクテッドカー」。ICT端末としての機能を有する自動車のことだ。IoTセンサーから取得した車や道路状況などのビッグデータから、新たな価値を生み出すことが期待されている。クルマのIoT化がわかる。

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※本記事は、就職支援会社株式会社学情の協力で、学情主催の大学生向けの「キャリアデザインフォーラム」(2017年2月4日)においてのフォローアップインタビューにより作成いたしました。

 

◆参考・各業界がわかります

「あさがくナビ」の「業界MAP」

 

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