この仕事をするならこんな学問が必要だ<化粧品業界編>

サイエンスの力で、お客さまが満足する化粧品づくりを

資生堂

田村昌平さん(前 資生堂イノベーションセンター研究推進部R&D企画グループ グループリーダー、現 資生堂中国研究所 副総経理)

 

第2回 パッチリ目元は、ヒューマンサイエンスと情報開発で完成!

資生堂の研究・開発では、「心理評価」に加えて、「情報開発」にも注力しています。開発した技術をどのようにお客さまにお伝えすれば、より納得し共感していただけるかを考え、その方法を作り上げていきます。言葉や文章であったり、ビジュアルであったり、化粧品の使い方(美容法)であったりと、伝え方は様々です。実例を挙げてみましょう。目を今より10%大きく、魅力的に見せるために、「錯視」という認知科学的な技術を用いています。

 

10%大きく見えるメーキャップ技術

 

どのようにメイクをすれば、お客さまの目が魅力的に大きく見えるようになるか。大きく見えすぎると、かえってマイナスになるので、適切な大きさを捉え、最も魅力的な目に見えるメーキャップ法を解明したのが、錯視を利用した10%大きく見えるメーキャップ技術です。例えば、自分が「きれい」と思うものと、他人から見て「きれい」と感じるのは異なるものです。その両者の感じ方の違いを、認知心理学や感性情報学を使って、両方から具体的に明らかにしていきました。

 

認知心理学、感性情報学、さらには脳科学といった、ヒューマンサイエンスは、今後ますます求められるようになるでしょう。

 

私たちの求める「情報開発」の人材は、心理学、情報系の認知科学や感性情報学、脳科学などヒューマンサイエンスの基礎があった上で、お客さまの気持ちや心の変化を解明するアイディアを出してくれる人です。

 

この業界に興味がわいたら

『女が感じるサイエンス -美肌への誘い』

熊野可丸(丸善出版)

美しく健やかな肌を保つための基本内容や、化粧品の効用・化粧の可能性などが、わかりやすく記されています。また、化粧品には多くの研究知見や、それに基づいて開発された技術がたくさん応用されていますが、そういった研究・開発の実例にも触れています。ところどころにイラストも挿入されていて読みやすく、化粧品の研究をイメージするにはお薦めの一冊です。

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田村さんから高校生へのおススメ本

『皮膚は考える』

傳田光洋(岩波科学ライブラリー)

皮膚の捉え方が斬新で、生物の神秘を感じさせられる一冊。生物科学系を目指す方には是非読んでもらいたいです。

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『日本の曖昧力』

呉善花(PHP新書)

他国の方から見た日本の良さが記されており、自分たちは何者で、どういうことを誇れるのか、何を変えるべきかを考えるきっかけになる一冊です。

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『ハイブリッド』

木野龍逸(文春新書)

トヨタがプリウスを世に送り出すまでの開発物語。メーカーの研究・開発者を目指す方に「開発の醍醐味」、「組織のパワー」、「志の大切さ」を感じていただければと思います。

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