この仕事をするならこんな学問が必要だ

<建設業界(コンクリート製品)>

コンクリート製品やスチール製品でインフラを担う

〜道路や橋、港湾、トンネルを造る部材を開発・製造

ジオスター株式会社

技術統括本部 技術部長 高松芳徳さん

 

第3回 新素材を混ぜ強度を上げたコンクリートや、環境にやさしいコンクリートなど新製品も登場

コンクリートは、セメント、砂、砂利、水、混和材料(コンクリートの性能や品質を改良するために混ぜる薬剤)を混ぜて造りますが、これも、セメントメーカーが新しい材料を開発し、当社のようなコンクリートメーカーに提案します。最近では、セメントにスチールファイバー(鉄の繊維)やポリプロピレンというプラスチック系の材料を混ぜたUFC(ウルトラファイバー=高強度繊維補強コンクリート)があります。この材料を使えば薄くても従来と同じ強度が得られることから、当社では構造物の補修や補強に使う製品を設計・開発しました。

 

さらに、プレキャストの永遠の研究課題は、よりよい継手、すなわちセグメントを丈夫に、かつ簡単につなぐ方法や素材の開発です。継手の研究開発は、当社のようなコンクリート製品のメーカーだけでなく、ゼネコンや、継手の材料である鉄や鋳鉄の部材を造るメーカーでも行っています。

 

そしてプレキャストのもう1つの研究テーマに、環境にやさしい製品の開発があります。

 

例えば、セメント会社は「フライアッシュ」というゴミを焼却した際に出る焼却灰をコンクリートに混ぜた製品や、「スラグ」という、製鉄所で鉄鉱石から鉄を精錬する際に出る残り滓をセメントに混ぜた材料を開発し、私たちもそれを使った製品を造ってリサイクル社会に貢献しています。

 

カニが棲める穴を設けたコンクリート製品「カニパネル」を開発

 

また、当社には「カニパネル」という、河川や湖沼の護岸に使う製品があります。ゼネコンの鹿島建設の研究所が、東京湾のような内湾の水生生物の生態系を守るにはカニが重要であることをつきとめました。しかし護岸をコンクリートで覆ってしまうと、カニが棲息できなくなってしまいます。そこで当社は、保水性があり、カニが棲める穴を設けたコンクリート製品「カニパネル」を開発したのです。保水性コンクリートはほかに、都市部のビルの屋上に設置され、コンクリートに蓄えられた水分の気化熱によるヒートアイランド現象の緩和が図られています。

 

興味がわいたら

『おもしろサイエンス コンクリートの科学』

明石雄一:監修、コンクリートの劣化と補修研究会:編著(日刊工業新聞社)

コンクリートとは、砂や砂利、水などをセメントで混合・結合させてもので、現在、建築資材として最もポピュラーなものです。また、コンクリートは自由な形状のものを造ることができ、材料も比較的安価であり、水密性や耐火性に優れています。そのために、ビルや橋、トンネル、高速道路やダムなど、現代生活に欠かせない構造物を造り上げている材料です。また、高度経済成長期に建設されたコンクリート構造物の老朽化が社会問題になっています。今後は、コンクリート構造物の点検・維持補修技術が重要な課題になります。このように、現代生活に不可欠なコンクリートのメカニズムとその働き、コンクリートの再利用、未来のコンクリートなどについてわかりやすく解説した本です。

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『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』

中島聡(文響社)

米マイクロソフト本社でWindows95の開発に携わり「ドラック&ドロップ」を世界に普及させ「右クリック」の概念を築いた人の本です。仕事というよりは時間の有効活用の仕方のノウハウ本です。この中で「ロケットスタート時間術」の内容では、ビル・ゲイツの仕事の仕方など実践紹介やたくさんの比喩でわかりやすく解説しています。受験勉強の効率化に参考になると思います。

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