この仕事をするならこんな学問が必要だ <保険業界>

人生設計やリスク計算によって保険を設計し、一人ひとりにあった生命保険を提案

ソニー生命保険株式会社

第3回 確率論や統計学を駆使して、保険に必要なリスク分析・評価をするアクチュアリー

保険会社の重要な仕事の一つに、アクチュアリーがあります。アクチュアリーは、確率論や統計学などを活用して、リスクや不確実性の分析や評価をする仕事で、専門性の高い職種です。その分析は保険商品の設計・開発、リスク評価等に用いられます。例えば商品開発の際には、死亡率や病気の罹患率などを踏まえてそれぞれのリスクを計算し、それに見合った保険料を算出します。このようなリスクや保険料を計算するのが、アクチュアリーで、実際の計算はずっと複雑で高度です。

 

アクチュアリーはほかに、会社が保険の支払いに備える準備金(保険会社は加入者から支払いの申請があったとき支払うお金=準備金を手元に残し、それ以外の保険金を運用して利益を得ています)はどの程度必要かといった計算も行います。

 

アクチュアリーに応募して採用されるのは、数学科や数理工学科など、数学に関する学科の卒業生が多く、次いで物理学など数式を扱う分野の卒業生となります。また、少数ですが生物学や農学系の学部学科出身者もいます。アクチュアリーには資格試験があり、「生保数理」「損保数理」などの試験科目があります。就職してから受験して合格する人もいれば、大学時代に数科目合格している人もいます。

 

最後に、大学でどの分野を学んでも、勉強したことに直結する仕事に就くケースはあまり多くはないかもしれません。しかし、特に理系の学部・学科出身の方にとって、自分で選んだ分野を、4年間情熱と時間を注いで勉強した事実に変わりはありません。ですから、就職して就いた仕事が一見大学で専攻した分野と関係なくても、その経験は必ずどこかで活きるということを、高校生や大学生の皆さんに、お伝えしたいと思います。

 

おわり

 

興味がわいたら

『オイコノミア ぼくらの希望の経済学』

NHK「オイコノミア」制作班/又吉直樹(朝日新聞出版)

ピース又吉直樹が経済学者たちに「経済とはなにか?」を教えてもらう、Eテレの人気番組「オイコノミア」を書籍化。貯金や給与といった直接的な話題だけではなく、恋愛、就活、スポーツも経済学でひもとく。大阪大学の大竹文雄先生が「保険は結局得か損か」を切り口に、保険の仕組みを解説している。

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『池上彰のお金の学校』

池上彰(朝日新書)

テレビでのわかりやすい解説でおなじみの池上彰さんが、お金の仕組みについてていねいに説明する。1限目「お金の歴史」、2限目「銀行」…というように目次は授業仕立てで、4限目に「保険」が登場。円高の理由、格安商品のからくりなど、お金にまつわる事象についても学べる。

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『高校生のための経済学入門』

小塩隆士(ちくま新書)

保険業・金融業に関心があるなら、経済学の知識もしっかり学びたい。しかし、高校の「政治・経済」では、実質的な経済についてはほとんど教えられていないという。この本は高校生にもわかるように、現実の経済問題の解決に経済学の考え方がどのように生かせるかという観点で、経済学の基本を解説する。

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アクチュアリー数学入門[第4版]

黒田耕嗣、斧田浩二、松山直樹(日本評論社)

アクチュアリーとは、確率論や統計学などを活用して、リスクや不確実性の分析や評価をする仕事のこと。それは保険会社の重要な仕事のひとつ。アクチュアリー数学のための確率論、生命保険数理などは高校生が読むには難しいものだが、数学を活かせる仕事としてアクチュアリーに関心があるなら、このような本を見てみるのもよい。本書では、アクチュアリーとして働く人が仕事についても紹介している。

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※アクチュアリーについては、下記のサイトも参考になる。

公益社団法人日本アクチュアリー会

 ◆アクチュアリーを知る

 ◆アクチュアリーを目指す

 

※生命保険について知りたい場合は、下記のようなサイトが参考になる。

公益財団法人生命保険文化センター

 

※本記事は、就職支援会社株式会社学情の協力で、学情主催の大学生向けの「キャリアデザインフォーラム」(2017年2月4日)においてのフォローアップインタビューにより作成いたしました。

 

◆参考・各業界がわかります

「あさがくナビ」の「業界MAP」

 

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