【参考】プログラム教育の方法、あり方等に関する研究で活発な先生方から
以下は、特色的な活動で知られるこの分野の研究者の方々となり、今後のこの分野の発展に関わるだろう先生方にもなります。ただし、その一部であり、他にもおられることして見てください。

谷聖一
日本大学 文理学部 情報科学科/総合基礎科学研究科 地球情報数理科学専攻
国際情報オリンピックは数学や物理、化学などと同じく、世界中の高校生が与えられた問題を解くプログラムを作って実行させた結果を競うもので、2018年には日本での開催が予定されている。谷先生は2006年以来、日本選手団団長を勤め、情報オリンピック日本委員会の専務理事を2009年以来担当している。

田中久美子
東京大学 工学部 計数工学科 数理情報工学コース/情報理工学系研究科 数理情報学専攻/先端科学技術研究センター
自然言語や記号的な系に内在する普遍性を、言語のビッグデータを計算することを通じて数理的に捉える試みを行い、そこで得られる基礎的な理解に基づき、コミュニケーションを支援するソフトウェアを構築している。ケンブリッジ大学出版会で出版され、日本語化された『記号と再帰』は第32回サントリー学芸賞、第19回大川出版賞を受賞しているが、Computer Science の中心課題に関する深い考察を行っている。
■Kumiko Tanaka-Ishii's Group HP

富永浩之
香川大学 創造工学部 創造工学科 情報システム・セキュリティコース/工学研究科 信頼性情報システム工学専攻
プログラミング教育を中心とする Computer Science 教育の方法論を研究テーマとして周到な準備の元、入門教育を行っている。

兼宗進
大阪電気通信大学 工学部 電子機械工学科/工学研究科 制御機械工学専攻
情報科学教育と学習環境の研究を行っている。中央教育審議会の情報教育に関する有識者会議には、唯一の Computer Science 専門家として参画した。日本語プログラミングではないが、日本語を使った教育用プログラミング言語として、兼宗先生が開発した「ドリトル」はプログラミング学習環境として多くの学校で利用されている。

和田勉
長野大学 企業情報学部 企業情報学科
日本における Computer Science 研究の中心学会である情報処理学会で、初等・中等教育における情報教育の委員長をしている。中国語、韓国語にも堪能で、韓国の名門高麗大学の招聘教授も経験している。

河合和久
豊橋技術科学大学 工学部 情報・知能工学課程/工学研究科 情報・知能工学専攻
ソフトウェア設計論など、プログラミングに関する最重要科目と担当すると同時に、東三河サイエンスカフェで一般向けのプログラミング教育を行ったり、豊橋市内の時習館高校にTUTラボを設けて、カードゲーム・ハッカソンなど情報教育活動を行ったりするなど、高校・大学の連携教育に力を入れている。

久野靖
電気通信大学 情報理工学域 共通教育部/情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻
27年勤務した筑波大学大学院から昨年に電気通信大学に移り、コンピュータリテラシーを教えている。現行の高校教科「情報」の学習指導要領作成にはプログラミング教育の専門家として参画した。

柏原昭博
電気通信大学 情報理工学域 Ⅰ類(情報系) メディア情報学プログラム/情報理工学研究科 情報学専攻
学習科学の視点から、ウェブを用いた学習環境の構築をプログラムの意味理解から出発して研究し、プログラミング関係の基礎科目の授業を担当している。

松澤芳昭
青山学院大学 社会情報学部 社会情報学科/社会情報学研究科 社会情報学専攻
プログラミングをコモンセンスにすることを夢見る研究者であり、人間の創造的活動を増幅する「柔らかい」情報システムのデザインを行っている。「情報システム」という用語は、単なるコンピュータ応用システムではなく、人間の情報行動を支え、組織活動に柔軟性と革命を与えることを目指したものであるが、日本では研究者が少ない。学習プログラミング教育、Learning Analytics、協調学習など、情報システムのデザインによって学習環境を面白いものに変革することを狙った研究を展開している。
松澤先生のプログラミング教育の研究は実際に情報システムを開発することを通じて行われていて、http://www.matsuzawalab.info/wiki.cgi?page=Productsにまとめられているが、中でも「お絵かきプログラムの開発演習」は大学だけでなく、情報産業の新人教育でも行われていて、高校生が情報システムを構築するプログラミングは何であるかを理解するのに最適の教材である。

杉浦学
鎌倉女子大学 家政学部 家政保健学科
中等・高等教育におけるプログラミング教育用のソフトウェアと教材コンテンツのための情報システムの研究を行っている。現在は、中学生向けプログラミング教育のテキストを執筆して広く使用されている。

東本崇仁
東京工芸大学 工学部 工学科 情報コース/工学研究科 電子情報工学専攻
認知心理学に基づいた学習支援システムの研究を行いながら、プログラミング教育を行っている。

高岡詠子
上智大学 理工学部 情報理工学科/理工学研究科 理工学専攻
プログラミング教育とその社会への応用を研究し、実践している。講談社ブルーバックスからプログラミングの理論的基礎について『チューリングの計算理論入門』を、通信工学の基礎理論である『シャノンの情報理論入門』を出版。また放送大学「計算事始め」を分担執筆している。情報処理学会の教育担当理事(2016-2018)として活躍中である。

酒井三四郎
静岡大学 情報学部 情報科学科/総合科学技術研究科 情報学専攻
プログラミング能力の修得と、それを支援する環境に関する研究を行なっている。対象が初学者から専門技術者まで、幅広く行っているので、入門教育においても、全てを見通した視点で行っていることが、他の研究者と大きく異なる。

松永賢次
専修大学 ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科
プログラミング教育を、実社会への応用を意識しながら、基本的な技法を教えるという方法で行っている。米国のコンピュータ学会であるACMの大学対抗国際コンテストに参加する学生の指導を引き受けたり、大学が立地する地域の小学生のために理科の教材を作成するような授業も行っている。

大場みち子
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科/システム情報科学研究科 システム情報科学専攻
長年にわたる日立製作者におけるソフトウェア開発の経験に基づいて、大きく変わる企業の経営環境の中で、企業戦略と情報システムの全体最適化の研究を行なっている。その中心課題である、IT人材育成の研究も合わせて行っている。

山崎進
北九州市立大学 国際環境工学部 情報メディア工学科/国際環境工学研究科 情報工学専攻
世界水準の「多能工プログラマ」と「起業家マインドを持ったエンジニア」の育成を目指して、大学教育の枠内で福岡県内の大学研究室、企業、フリー技術者と協力して、実社会の問題解決を、ソフトウェア開発やウェブマーケティングの領域で行なっている。日本の大学では、現在このような本格的な産学連携教育の例はほとんどない。

渡辺治
東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系/情報理工学院 数理・計算科学系 数理・計算科学コース
プログラミングは、Computer Scienceの基礎スキルであるが、それは単にプログラムが書けるということではない。一番重要なのが、アルゴリズムの概念であり、渡辺教授はその研究者である。渡辺先生が、2001年に東工大の学生のために書いた『教養としてのコンピュータ・サイエンス』は、計算とは何かについて前提知識なしで本質が理解できるように書かれた本である。世界中でプログラミング教育が本格化した現在、この内容は全ての情報技術者がマスターしておかなければならない内容である。

中山泰一
電気通信大学 情報理工学域 I類(情報系) コンピュータサイエンスプログラム/情報理工学研究科 情報ネットワーク工学専攻
小学生がプログラミングを学び始めた現在、大学におけるプログラミング教育をどのように行なうべきかを研究している。また、高校の教科「情報」の教科担任が免許を持つ教員によって行われているかについて現状を自治体の情報公開の制度を使って調査するような、教育環境の実務的な研究も行っている。

伊藤一成
青山学院大学 社会情報学部 社会情報学科/社会情報学研究科 社会情報学専攻
メディアとしてのコンピュータ教育の観点から、プログラミング教育の研究を行っている。子供向けのプログラミング入門言語 Scratch を大学生の入門教育に導入して、スマートホンを授業で活用したり、道路や劇場等の公共空間で横断禁止や避難路を示すのに使われる絵記号であるピクトグラムを使うプログラミング教育を研究するなど、入門教育の新しい方法を研究している。

来住伸子
津田塾大学 学芸学部 情報科学科/理学研究科 情報科学専攻
女子大学生のための情報科学教育を海外の状況を調査し、研究している。このため、女子中高生のプログラミングワークショップを開催するなど、社会的活動を活発に行っているが、専門は人間とコンピュータの関係を研究するヒューマンインターフェースで、人間の視点でソフトウェア・デザインの研究を行っている。

永松礼夫
神奈川大学 理学部 情報科学科/理学研究科 理学専攻
マイクロコンピュータの誕生以来、プログラミングの研究を行ってきた。単なるユーザーではなく、主体的にIT技術に取り組むことができることを目標にプログラムが実際にコンピュータの中でどのように動作を行っているかが理解できるように、学生の指導を行っている。

川合慧
東京大学 名誉教授、放送大学 名誉教授
コンピュータグラフィックス研究の黎明期に、日本の研究をリードしたが、同時にプログラミング教育にも力を注ぎ、多くの教科書の執筆してきた。東大教養学部で行った「計算機科学」の教科書として作られた『コンピューティング科学』(東京大学出版会)は、放送大学の授業経験と、最近の計算事情の紹介を追加して、2017年には新版が発行された。放送大学の教材としてComputer Science に関する多くの教科書を執筆・編集している。

玉井哲雄
東京大学 名誉教授
プログラミングを経済活動として行う際の問題を研究するソフトウェア工学に関する日本の代表的研究者である。著書の『ソフトウェア社会のゆくえ』(岩波書店)は、経済材としてソフトウェアと社会の関係について一般人にわかるようにその問題点を解説した本である。共著『ソフトウェア工学』(放送大学教育振興会)ではソフトウェア工学の概要がわかる。

奥村晴彦
三重大学 名誉教授 (元 教育学部)
統計・データ解析関係やデータ圧縮の研究を行っている。特に、データ圧縮ではZIPとともに標準ソフトウェアとして広く利用されている圧縮アーカイバ LHAのアルゴリズムを開発した。コンピュータによる組版技術についても関心があり、研究者が精密な印刷が可能になるLaTeX関連の本をいくつか書いている。
プログラミング教育で充実している大学、特色的な大学など
プログラミングは今では多くの大学で授業が設けられているが、英米や北欧、バルト3国では5歳からのプログラミング教育が小学校で行われるようになった。日本でも小学校で行うことが決まっている。こうした状況では、10年後に外国でも通用する大学レベルのプログラミングを学ぶには、情報専門の学科に進学するのが一番よい。
先進国で行なわれているプログラミング教育では、プログラムを書くことを学ぶが、それだけではない。米国で computer science ヨーロッパでは informatics と呼ばれることが多いが、「計算(computing)」に関する学問の素養をつけることが目的であって、プログラムが書けるようになることは、基礎スキルにすぎない。「計算」について中・高校生でも理解できるように書かれた教科書として、川合慧『計算本始め』(放送大学)がある。
ちなみに高校の普通教科「情報」は「社会と情報」と「情報の科学」の選択必修2科目から成るが、2018年から先行実施が始まり、2022年から全面実施が始まる次期学習指導要領では、この2つを統合した必修の「情報I」と選択科目の「情報II」に再編成されることになっている。また、中学校の「技術・家庭」で扱われた計測・制御の内容が「情報に関する技術」に拡大されるので、高校の「情報I」で扱われる「計算」の内容も一段と高度化されたものになり、先進国の水準に近づくこととは指摘されるところである。
しかし、日本の情報専門学科は、国際的に情報専門学科として考えられる教育をしているとは限らないとも言われる。1968年に米国のComputer Science 学会である Association for Computing Machinery(ACM) が Curriculum 68 と略称される大学カリキュラムを発表したことで、世界中で computer science に関する大学教育が始まった。日本でも京都大学と大阪大学に「情報工学科」、東京工業大学に「情報科学科」、電気通信大学と山梨大学に「計算機科学科」、金沢工業大学に「情報処理工学科」等が創設された。しかし、その後に設置された多くの情報関連学科は、十分なComputer Science の教育をしているとは限らない。というのも、新学科設置の基準を満たすだけの研究者は、決して全体として多くはないのである。そのために、簡単なプログラミング教育は行なうだけでの「情報工学科」も、あるとまで言われてきた。
工学教育の外部評価を行う日本技術者教育認定機構(JABEE)では情報系を認定する場合(ソウル協定で国際的に認められる)と、エンジニアリング系の中で、電子情報通信コンピュータとして認定する場合(ワシントン協定で国際的に認められる)がある。前者は、Computer Science を教育することを目的としているのに対して、後者の場合は Computer Science より電子工学を基礎として、コンピュータの利用に重点を置いている。情報系の教育を行っていて JABEE 情報系の認定審査に合格しているのは下記の大学である。
ここで各大学の最後についている CSは Computer Science、ISは Information Systems の略であり、「情報一般」はこうした専門特化は行われていないことを意味している。その後の数字は最初に認定された年である。認定は5年ごとに必ず再審査が行われて、社会の動きに合わせて教育内容が向上しているかが審査されるので、認定された状態が維持されていることが国際的に保証されていることになる。
Information Systems は、Computer Science を基礎として、社会への応用を研究する学問である。日本で情報産業と呼ばれている企業で行なわれていることは、information system の構築が中心であるが、その研究・教育は Computer Science 以上に遅れている。日本でJABEE 認定が行なわれたのは、現状では、新潟国際大学と南山大学だけのようだ。
Information System(情報システム)については、川合 慧「情報の世界」(放送大学)の内容解説は参考になろう。
JABEE で認証された教育プログラムは、国際的に通用する技術者を教育しているが、この審査を5年ごとに行なうことは、大学にとって準備の負担が大きい。このため、独自の教育改革を行なうが、JABEEの継続を行なわない大学も出てきている。こうした大学も、教育水準の高い大学と見なすことができる。認定されている教育プログラムのリストとともに、そうした大学の教育プログラムのリストも公表されている。
http://www.jabee.org/accreditation/program/
認証評価の方法が、工学教育の進歩と国際整合性を保つために、頻繁に変っているため、リストの細かい意味を理解するのは難しいが、学びの場を見つけるには有効な情報である。
JABEE 認定大学紹介














上記の大学は、JABEEの認定を受け、一定のプログラミング教育が行われているが、その他にも良い教育が行われている大学がある。ここでは、そんな大学の一端を紹介しよう。尚、各自でホームページ等で確認してください。
なお、東京大学、京都大学を頂点とする有名大学は研究志向が強い。プログラミング教育のような基礎的な教育は、自分で学ぶものとも考えられているきらいはある。研究者を目指す場合は、これら研究志向大学を目指して基礎教育は自分で行なう覚悟は必要かもしれない。
また、先進国では理工系の進学者は入学前にプログラミング教育を受講するというのが広く言われているところである。一方日本では、入試の基準にプログラミング能力が入るのは、これからである。そのためもあり、プログラミング入門もようやく大学に入ってから学ぶというのが一般的である。

お茶の水女子大学
理学部 情報科学科
情報科学科の設立時には情報の専門家がいなかったために、数学、物理、化学の専門家が集まって作ったが、その後、専門家の採用に努力してきた。その結果、小規模とはいえ、専門家が揃っていて、少人数の手厚い教育をしている。このため、産業界の評価が高く、読売ウィークリーの2008年まで続いた業種別就職ランクでは2位の東大をダブルスコアで引き離して第1位であった。
http://www.sci.ocha.ac.jp/ug/is/gakkamenu/career.html

電気通信大学
情報理工学域 I類(情報系)
ここは1970年に最初に日本で情報系専門学科が生まれた国立大の一つである。今も、Computer Science の専門家の数は、おそらく日本で1番多い大学であろう。周辺の教育工学、認知科学の専門家もいるので、プログラミングとその発展について学ぶことができる。

東京農工大学
工学部 知能情報システム工学科
1975年の設立時より、企業経験者と大学研究者のバランス良い教員構成に努力し、日本の大学にはめずらしく、故高橋延匡教授の伝統をついで、並木美太郎教授が自前でオペレーティングシステムを作るなど、他大学には見られない特長的な研究を行うと同時に、それを支えられる学生の育成にも力を入れている。

豊橋技術科学大学
工学部 情報・知能工学課程
Computer Science 中心の情報工学分野と、応用分野としての知識情報工学が合体してできているが、1978年の大学発足以来、2か月の長期インターンを行うなど、産学連携の教育研究に力を入れてきた。JABEE のエンジニアリング系で認定されているが、情報教育を研究する河合和久教授がしっかりしたプログラミング教育を行っている。

東京工芸大学
工学部 工学科 情報コース
小規模学科の特長を生かして、少人数教育でプログラミング教育を行い、企業の要求する人材を育成している。1年次では、コンピュータに慣れていない学生も対象にした基本操作とプログラミング実習が行なわれ、2年次で本格的なプログラミングとその応用を学び、3年次で様々な応用分野への情報技術の適用を具体的に学び、4年次には卒業プロジェクトで未来のコンピュータ応用につながる経験をすることができる。

筑波大学
情報学群 情報科学類、情報メディア創成学類、知識情報・図書館学類
筑波大学は前身が東京教育大学で、教育に伝統を持つ大学であるが、新構想大学として1973年に筑波大学となる時に研究大学を目指すことになった。情報分野についてはこの時から第3学群情報学類として東京教育大学の教員とは別に、新たに構成された。筑波大学情報学類からは、世界中で使われるRUBYを作った まつもと ゆきひろ 氏など、情報分野の有力な人材を輩出してきている。

静岡大学
情報学部 情報科学科、行動情報学科、情報社会学科
日本で最初に情報学部が設置された国立大学である。Computer Science を対象とする情報科学科と、情報社会学を対象とする情報社会学科として1995年に発足し、2016年には情報サービスを対象とする行動情報学科が加わった。広範に広がった情報学の分野全体をバランス良く整えて教育・研究を行っている。

公立はこだて未来大学
システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科、複雑系知能学科
情報技術だけでなく、デザイン、アート、コミュニケーション、認知心理学、複雑系、人工知能などの領域を有機的に融合した学問領域の確立と教育を行っている。システム情報科学とは、世界を構成するあらゆる要素を「情報」として捉え、それらが相互に関連し合う「システム」と見る世界観を表している。

専修大学
ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科
情報技術を通じて現実社会の課題を解決する能力を育成している。1年次ではコンピュータの基礎的な理論と応用スキルを徹底的に学なび、2、3年次では興味がある専門科目を学びながら、卒業時に修了する「プログラム」を模索し、演習科目を通した実践の中で、情報の表現力、コミュニケーション能力などをスキルを磨く。3年次には10名程度のグループで具体的な問題解決のプロジェクトを行ない、学んだ知識の関係を理解して融合をはかる。4年次では自分の将来を見据えて、卒業演習に取り組む。

東京工業大学
情報理工学院 数理・計算科学系/情報理工学院 数理・計算科学系 数理・計算科学コース
組織改革で学部と大学院を一体化した学院制を2016年から発足。その一つが情報理工学院であり、学院長の渡辺治教授が東工大の全学生に対してComputer Science の基礎教育を行なう体制を整えた。その教科書が、渡辺治『コンピュータサイエンス-計算を通して世界を観る-』(丸善出版)である。
情報理工学院では、数理・計算科学、知能情報学における基礎理論・基盤技術をもとに、情報技術の最先端に至る高度なソフトウェアやアルゴリズム、そして革新的な応用技術を開拓することを目指して教育と研究を行っている。
高校生に関係する活動として、大阪大学の共同でスーパーコンピュータ上で行うプログラミングコンテスト「夏の電脳甲子園(スーパーコン)を1995年から行っている。