中卒のカリスマの「ネガポジ就活術」

~貧困、50回の転職を乗り越え、若者の就職支援NPOを設立

黒沢一樹さん NPO法人若者就職支援協会 理事長

おススメの本

『最悪から学ぶ 世渡りの強化書』

黒沢一樹(日本経済新聞社)

私自身の過去の壮絶な体験談から導き出された「ネガポジ・メソッド」。ネガティブとポジティブの造語です。物事は、ネガティブな面とポジティブな面の両面を持っているものですが、様々な観点から物事を思考するクセをつける方法論をまとめました。

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第1回 自分の人生を一発逆転するには、会社を興すしかない

~貧困の連鎖を断ち切りたい

僕は中卒です。今は高卒でも低学歴と言われます。低学歴と言われる方たちの就職がどれほど厳しいか、私は身を持って知っています。

 

みなさんは本当の貧乏というものをご存知でしょうか。貧乏って本当にあるんです。私は5人兄弟の長男だったんですが、小学校のとき、食べるものがなくて冷蔵庫空っぽでした。学校の給食がどれほどありがたかったことか。中学へもまともに行けないという状態でしたが、高校には奨学金で行けるということで、一応高校受験をして合格しましたが、やはり家族を養わなきゃいけないということで、入学式に行きませんでした。

 

ですから、一応高校中退ですが、実質、最終学歴は中卒ということです。家計を助けるためには社会の荒波に出て行くしかなかったのです。最初に就いた職は板前でした。その後は、ブラック企業、零細企業、上場企業と、いくつも転職しました。上京し新宿の歌舞伎町でホストをしたこともあります。職種もバラバラですが、決してこらえ性がなかったわけでなく、私なりの理由がありました。当時の私は「起業したい」という野心を持っていました。学歴のない私が会社勤めをしたところで先は知れている。自分の人生を一発逆転するには、会社を興すしかないと考えたのです。

 

結果として、32歳の現在までに、2度の起業と廃業、50回の転職経験をしています。ただそのことが、就活支援をする現在の事業「NPO法人若者就職支援協会」設立の大きな力になりました。私とNPOを取材したNHKは「中卒のカリスマ」と名づけてくれるようになりました。そのあたりの社会起業のノウハウをお話していきたいと思います。

 

その前にみなさんにこれだけはぜひ伝えておきたいことがあります。それは、貧困は低学歴を生み、低学歴は貧困コミュニティを生むという負の連鎖があるということです。私の家は三代続けて中卒です。貧困は貧困を生み、なぜか非正規雇用になったり、時給600円で生きて行かなきゃいけない。負の連鎖の間には、貧困ゆえの情報格差や教育格差の問題が横たわっています。これを断ち切り、自ら新たなロールモデルとして提示していきたいと思っています。私は社会を変えることは、実は、そんなにできないと思っています。でも今よりちょっとだけ住みやすい世の中にすることは絶対、できるはずと考えているんです。

 

興味がわいたら

『最悪から学ぶ 世渡りの強化書』

黒沢一樹(日本経済新聞社)

父親が4人、最悪の貧困、継父からの虐待に苦しんだ幼少期…。中卒でブラック企業、ホスト、調理師などの職を転々とした(転職50回! )少年から青年期…。さらには原因不明の病気や自殺未遂…。私の「最悪な」体験をもとに、「ネガティブ要素をポジティブに転化させる思考法」=「ネガポジ・メソッド」を考え出しました。私の生い立ちを紹介し、「ネガポジ」メソッドとは何か、前向きに生きるためにはどうすればいいかなどを、わかりやすく解説した一冊です。

・過去の自分とどうやって対峙すればいいのか?

・コンプレックスを活かすにはどうすればいいのか?

・失敗体験をプラスの経験へ変えるにはどんな方法があるのか?

といったことを考え、人生の選択肢を大きく広げるための観点が書かれています。

 

以下は、高校生に特に読んでほしい箇所です。

・最悪でなければ、それで幸せ  P34

・「かんちがいスイッチ」を押せ P35

・ビジョンに酔うな P72

・依存の話 P144

・普通は怖い言葉 P154

・「無関心ゾーン」にチャンスがある P163

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『ネガポジ就活術』

黒沢一樹(鉄人社)

就職に絞ることなく生きることの選択肢を広げるための書。「イヤ」なことから人生を思考することができるようになります。

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『非属の才能』

山田玲司(光文社新書)

群れなくても幸せに生きることのできる方法や、同調圧力に屈しないための方法論を教えてくれます。

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『ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所』

青砥恭(ちくま新書)

「高校中退」を語らずして貧困問題を語ることはできません。中退者を追跡調査した書で、日本の貧困の闇が事例を交えて書かれています。

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