ニューリーダーからの1冊

宇宙論専門の吉田直紀先生(東京大)の本!

『宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか』

(宝島社新書

<究極の問いに今もっとも期待される宇宙物理学者が答える> 第1章では、宇宙138億年の歴史をひもとき、2章では天文学5000年の歩みを振り返る。そして、3章以降は、宇宙で最初の星=ファーストスターについて解説。「宇宙はどんな形をしているのですか?」「宇宙は将来どうなってしまうのですか?」など質問にも答えています。

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宇宙最初の星を見つけ、自らの起源の謎に迫りたい

吉田直紀先生 東京大学

<専門分野:宇宙論>

ファーストスター。それは、138億年前、ビッグバン後の暗黒の宇宙に最初の光を灯した、宇宙最初の星。世界中の天文学者が探し続けるファーストスターを発見し、宇宙の始まりの謎を解き明かしたい。

 

 先生

吉田直紀(よしだなおき) 

専門分野:宇宙論

東京大学 理学部 物理学科

/理学系研究科 物理学専攻 宇宙理論研究室

 (兼) 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 准教授 

1973年兵庫県生まれ 私立灘高校出身


 研究

最近の様々な宇宙観測から得られたデータに基づいて、主にスーパーコンピュータシミュレーションを用いて天体の形成を理論的に研究しています。宇宙に広がっていると考えられている暗黒物質や暗黒エネルギーの正体にも迫ろうとしています。

 

私たちの宇宙は、およそ138億年前にビッグバンによって生まれ、その後すぐに暗闇に包まれたと考えられています。暗黒の宇宙に最初の光を灯したのは宇宙最初の星=ファーストスターであると考えられていて、世界中の天文学者がファーストスターを求めて観測を続けています。私たちは宇宙の始まりの謎を解き明かしたいと思っています。

 

現在の最新の宇宙望遠鏡を使うと、私たちから130億光年も離れた場所にある天体を見ることができます。つまりほとんど宇宙の果てまで見渡すことができるのです。そんなことに毎日感動しながら研究を続けています。

 


この道に入ったきっかけ

小学生の頃は天体望遠鏡で月や惑星を見る天文少年でした。中学、高校では少し興味がはなれていたのですが、大学院に進学してから本格的に宇宙への興味がわいてきて、天文学者をめざすようになりました。

 


中学時代

スピルバーグに憧れた!

 

 


大学時代

大学では「航空機設計」、大学院に進学してからは「数理物理学」が好きでした。大学院時代をスウェーデン、ドイツで過ごしたので、北ヨーロッパの文化には影響を受けたと思います。

 


おすすめの本、映画

『敗れざる者たち』

沢木耕太郎(文春文庫)

人間の強さと弱さをみごとに描いている。

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映画『ラストエンペラー』ベルトルッチ監督

歴史の流れを考えさせられる。


先生の専門分野に触れる本

『宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか』

吉田直紀(宝島社新書)

起源に関する人間の根源的欲求に答える本。

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『宇宙はどこまでわかったか』

岡村定矩(岩波科学ライブラリー)  

最新の宇宙像を天体写真などを豊富に用いて紹介。

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